・6 ページ6
｢たぁだいまぁ〜！Aちゃんがシャバに出てきたぞ♡｣
部屋の扉を開けて一番に目に入るのは、今薬をキメようとしていたところですよ、の状態の三途だった。
｢お嬢じゃねぇか！｣
｢はるちゃ〜ん！元気ぃ〜？｣
｢今日出所だったかぁ〜？｣
｢迎えに行くっつったろーが。話聞いてろよクソジャンキー。｣
｢あ"ぁ"！？｣
Aそっちのけで喧嘩を始める二人を他所に、Aはすぐ側で仕事をしていた九井に後ろから抱きついた。パソコンに集中していたせいで彼女の防音まがいの登場にも気づいていなかったのか、はたまた扉の開く大きな音は三途がヤクギメのせいでものを壊した音だと思っていたのか、突然現れた彼女に九井は目を丸くした。
｢ココちゃん久しぶり〜♡｣
｢お嬢……！？そ、うか……今日出所だったな。｣
｢お疲れ様。｣と優しく頭を撫でてやれば、Aは垂れた目尻をさらに下げて満足そうに笑う。そんな彼女に、小遣いでもやろうかな、なんて考えている九井は十分すぎるほど彼女にあまい。
｢もちちゃんとおみちゃんとかくちゃんは〜？｣
｢望月と明司は仕事。鶴蝶は奥で首領と話してる。｣
｢行ってきていい〜？｣
｢やめとけ、仕事の話してんだから。｣
｢万ちゃ〜ん！｣
｢聞けよ！｣
九井の声を背に、一番奥の部屋に続く扉を開けば、真剣な表情で鶴蝶と話をしている佐野の姿があった。
｢ただいま万ちゃーん！♡かくちゃーん♡｣
｢……おかえり、A。｣
佐野は少し驚いたように目を見開いたが、仕事中には絶対聞くことの出来ないであろうほどの優しい声色で彼女を呼んだ。
｢A、おかえり。今は仕事の話をしてるんだ。悪いが、あとでもいいか？｣
｢別にいい。聞かれてまずい話でもないだろ。｣
佐野は鶴蝶の言葉を無視してAに手招きをすると、上機嫌で近寄ってきたAを膝に座らせた。椅子の肘掛に乗せられたすらりと長い足には、真っ赤なピンヒールが良く映える。
鶴蝶は、勇気あるよな、なんて内心ハラハラしながらも、彼はAにゲロ甘だから大丈夫だろう、と再び資料に視線を落とした。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1013人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「東京リベンジャーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
自律思考固定砲台 - 梵天大好きな私の為に作られたのかと思った…｡作者様、マジで神じゃん!? (2021年9月27日 22時) (
レス) @page38 id: 426cb43a7c (このIDを非表示/違反報告)
わわるこ(プロフ) - 夢主ちゃんがマジで好み過ぎる… 主様の作品大好きです！応援してます！ (2021年9月26日 12時) (レス) id: e592c4a1c9 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 面白いです！応援しています！ (2021年9月20日 13時) (レス) id: 15d4b06566 (このIDを非表示/違反報告)
ma(プロフ) - 灰谷兄弟の妹めちゃくちゃいい作品に出会えて嬉しいです！春千夜大好きなので梵天絡みまじ好きです！落ち楽しみにしてます！！これからも更新頑張ってください^_^応援してます！ (2021年9月16日 13時) (レス) id: 70f00aa1ca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：花蛸花
| 作成日時：2021年9月16日 2時
