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「んじゃ、もーいくね〜この後約束あるから♡」
そう言って、Aはフルフェイスヘルメットを被ると、久しぶりの感覚にうきうきしていた。
「あんまやんちゃすんなよ。」
「考えとく♡」
「また飯でも行こう。」
ほわほわとマイナスイオンのようなものを放つ乾と、呆れた様子の龍宮寺にひらひらと手を振りギアを入れる。
久しぶりの風に胸を躍らせ、呑気に鼻歌なんて歌っていれば、約束の集合場所にはあっという間についてしまった。集合場所として指定されたその場所には、既に3人の男が集まっていた。
「おい、おせーぞ。お前が呼び出したんだろーが。」
若葉色の髪色をした男が、バイクに寄りかかりながら彼女を見れば、Aは笑いながらヘルメットを脱ぐ。
「ごめんってときちゃ〜ん♡」
「お前なぁ……出所したっていきなり連絡来たかと思えば急に呼び出して……出所日くらい手紙に書けよ。」
「まぁ、いいじゃないかトキ。姫も元気そうだし。」
「お前はこいつに甘いんだよ、
「そんなカリカリすんなよトキ。」
泉と呼ばれたミルクティー色の髪をした三つ編みの男と金髪の男がそう言うと、トキと呼ばれた男はため息をついた。
「まぁ、いいか……」
「でも、出所を知らせてくれなかったのはなかなか寂しいよ姫。」
「悪かったって〜」
「これで、俺ら全員ネンショー上がりじゃん。」
「素敵なお揃いだね。」
そう言って笑ったのは、金髪の男と三つ編みの男だった。三つ編みの男こと兄、
兄の泉は今人気の王子様フェイスの持ち主だ。優しげな微笑みとそのスタイルの良さは誰しもが認めることだろう。対して弟、見た目通りのやんちゃっ子ではあるが、面倒みもよく料理も得意だ。明るげな笑顔をうかべた、今の言葉で言うならば陽キャの部類である。クラスの人気者、と言われても納得が行く。
しかしそれとは裏腹に、傷害罪という前科持ちである。理由は簡単なもので、当時小学六年生だった彼らは、幼いながらにして絡んできた中学生を殴り飛ばしたのだ。兄、泉は絡んできた中学生の頭をコンクリの壁へと叩きつけ左目を失明させた。弟、蓮は左足の関節をあらぬ方向へと折り曲げてしまった。
もちろん少年院へ送られ、一年半後。出所してまもなく、彼らに興味を持ったAに絡まれ、逆に伸されたのは今でもいい思い出だ。
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自律思考固定砲台 - 梵天大好きな私の為に作られたのかと思った…。作者様、マジで神じゃん!? (2021年9月27日 22時) (レス) @page38 id: 426cb43a7c (このIDを非表示/違反報告)
わわるこ(プロフ) - 夢主ちゃんがマジで好み過ぎる… 主様の作品大好きです!応援してます! (2021年9月26日 12時) (レス) id: e592c4a1c9 (このIDを非表示/違反報告)
りんご - 面白いです!応援しています! (2021年9月20日 13時) (レス) id: 15d4b06566 (このIDを非表示/違反報告)
ma(プロフ) - 灰谷兄弟の妹めちゃくちゃいい作品に出会えて嬉しいです!春千夜大好きなので梵天絡みまじ好きです!落ち楽しみにしてます!!これからも更新頑張ってください^_^応援してます! (2021年9月16日 13時) (レス) id: 70f00aa1ca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:花蛸花 | 作成日時:2021年9月16日 2時