未練、想い【番外編】

・新婚旅行 ページ32

・結婚後
・貴方side





1時間前、「行ってきます」と高専を出て現在は国際空港。オーストラリア行きの飛行機へ乗った。

今日は待ちに待った新婚旅行だった。



ここまで本当に大変だった。

「2人が日本にいないと知ったら呪詛師が動き出すかも知れない」「旅行先で首を狙われる可能性もある」

とか、そんな理由でなかなか認めてもらえなかった。



でも夏油や七海が、もし呪詛師が動き出した時は自分らがどうにかする、と上に言ってくれた。
どこからか聞きつけたのか九十九さんと冥さんも今回は協力すると。お陰で旅行を勝ち取った。


向こうでの自分らの首は自分らで守ると言う約束で。




「楽しみだね。」

『うん、超楽しみ。』




本当は1週間ぐらい泊まりたかったけど3泊しか許してもらえなくて。

プランを練りに練りまくった。



9時間ぐらい飛行機で過ごして、ようやくオーストラリアへたどり着いた。


移動時間省くための金は惜しまない。

今回の旅行には専属でタクシーを付けた。




「本当にアレやるの？」

『やる、やりたい！』




オーストラリアを選んだ理由、それは海が綺麗だから。


某サメ映画に出てくる、本物のサメをこの目で見たい。

自分がケージの中に入って、その中からサメを見るやつがどうしてもしたかった。




「…これ壊れたりしないよね？思ったよりボロくない？」

『海水だから錆びるんじゃない？こういうもんでしょ。』

「えー。もし死んだらどうする？」

『弱気なの珍しいね。なんかあったら助けてあげるから大丈夫だよ。』




ウェットスーツに着替えて酸素を背負う。

ケージに入るように促され、扉が閉められる。ゆっくりと沈められて餌が撒かれた。


サメが寄ってきて、それはもう神秘的だった。


ケージから手を伸ばして、このために新調したカメラで写真を撮る。

食われるかと思ったけど意外と大丈夫だった。
確認できないけど上手く撮れてますように。




「はぁ〜怖い、Aがやろうって言い出さなかったら一生しなかった。」

『…呪霊の方が怖くない？』

「サメの方が怖い。」

『自称最強なのにねぇ…』




ビーチに戻って、ガイド付きのツアーに参加した。


紫外線のせいか肌がヒリついた。





2日目も3日目もやりたいことやり尽くして、現地の動物見たり、食べたい物も全部食べて、夜もクタクタになるまで街を歩いて、ホテルへ戻った。




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