キミには届かない【ツイステ】

おじいちゃん ページ16

気になっていた部屋の仕上がりに関してのユウちゃん達の反応は上々で、一人でニヤニヤとしてしまう。そろそろ部屋に戻ろうと立ち上がった。



戸締りを確認して、私も自分の部屋に行く。

キラキラした物には慣れていないので、割と質素な部屋だ。
可愛くはないが、居心地も良いので、自分なりに気に入っている。


部屋に入ると、そのままベッドには入らず、


オクタヴィネル寮で手に入れたモノを持って机につく。
中を開いて見ると、分かりやすく手順を書かれているものや様々な材料が入っていた。



すごい、魔法石まで入っているのか…


感心しながら説明書を見てみると、どうやらこのキットでは、ブレスレットが作れるらしい。説明書を読む限りでは簡単に作れそう。


………私の手が思うように動けば、の話である。


えげつない程不器用な私だが、明日の夜までには完成させたい、と言うことで今日は徹夜覚悟でやろうと思っている。




大体はキットの物をありがたく使わせ頂くが、

魔法石だけは私が選んだものがいい。と言うことで、大事にしまっておいた沢山の魔法石の中から、ユウちゃんに似合うものを探し出す。


あれじゃない、これじゃない、なんてやっていると後ろから突然、声を掛けられる。



「おや？いいのかい？そんな大切なものを使ってしまって。」



振り返らずともわかる。ゴーストの1人だ。

ただ、悪戯好き、なんて事はなくて穏やかな気性の持ち主である。


ここのゴーストの中では中々の古株らしく、
何もかもを包み込んでしまうような暖かさをもっている。結婚するなら、こんな人！なんて思わせるような包容力だ。




親しみを込めて私は、おじいちゃんと呼んでいる。


私が大切にしていたのを知っているのだろう。心配して出てきてくれたようだ。



『良いんだよ。可愛い女の子に渡した、なんて兄が知った暁には大喜びするんじゃないかい？』



今はもう中々会えていないが私には大好きな兄がいる。


いつも私の心の内を理解してくれて、気遣ってくれるような。

本当にあったかい人。


そんな兄と小さい頃、色んなところを探検して集めた魔法石をお守り代わりとしてこの学園に持って来ていたのだ。


人にあげる、なんて初めてだが、きっと喜んでくれるんじゃないかな。


「君がそこまでやる、なんて初めてじゃないか？大切にするんだよ。」

『勿論さ。大切にするよ、全力でサポートするつもり。』



2人でゆったり話しながら、夜遅くまで作業をした。

ドッキドキの〜！？→←作者より感謝！！(飛ばして頂いて大丈夫です。)

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