Call me Aya, please. ページ24
「いや、急に言われても…なあ。」
確かにそうかもしれない。馴れ馴れし過ぎたかな。
「ごめんなさい。じゃあ、『アーヤ』でいいから!」
「それはやだ‼‼」
「?」
私が頭にハテナを浮かべているのに気づいて、また顔を赤らめた。
「『アーヤ』は嫌だ。」
「どうして?」
「…………」
あれ、黙っちゃった。でも、言ってくれないと分かんないんだけどなあ。
しばらくして、意を決したように上杉君は口を開く。
「だって、『アーヤ』だったら、KZの連中と同じじゃん。俺は、お前の彼氏だから特別な感じがいい。
…………ああっ!もう!こんな事言うつもりじゃなかったんだからな!」
そう言って彼はしゃがみ込んで、顔を見せてくれなかった。
私はというと、完全に赤面して固まっていた。
「こんな恥ずかしいこと、二度と言えっか。」
ブツブツと一人で言い訳を繰り返す上杉君は、なんとなくかわいかった。
でも、問題は解決してない。
「私、”彩”って呼ばれてないんだけど。」
「思い出すなよ。忘れろよ。」
私はムッとして言い返した。
「私は彼女なんだから、いいでしょ。」
「いや、だって、さ…。」
ようやくこちらをしゃがみ込んだまま、仰ぎ見た。
私も、その横にしゃがみ込む。
「立花呼びも俺しかいないんだし、特別じゃん。」
「名前の方がもっと特別なの!」
「マジか…。」
そこからは一言もしゃべらず、どこかをボーッと見ている。
痺れを切らした私は、上杉君の耳元で囁いた。
「Call me Aya, please_________.」
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作者名:ぬの | 作成日時:2018年5月6日 11時