Call me Aya, please. ページ23
Call me Aya, please._________
アヤと呼んでください。
それは秀明の帰り道。久しぶりに上杉君と帰ることができた。
「それで若武がさー…………」
「うそ!本当に?私は…………」
本当にそんな些細な会話から、気づいてしまった。
「”立花”はどう思う?」
あ____上杉君だけ、”立花”呼びだ。
今思えば、KZの皆は私を『アーヤ』と呼ぶ。黒木君が最初に呼んだのがきっかけだけど、そこから皆そう呼んでいったんだ。上杉君を除いて…。
翼も途中から『アーヤ』って呼ぶって言ってくれたし、忍も最近は『アーヤ』って呼んでもらっている。
「ん、立花?どうかしたか?」
「___って呼んでほしい。」
「え?」
小さな声では聞こえなかったのだろう。しっかりと上杉君の瞳を見つめて言う。
「”彩”って呼んでほしい‼」
「…………は。」
これは、私の一世一代の決意だった。だから、真剣に呼んでほしい。
「私たち、恋人同士なのに、名前で呼ばれてない。
上杉君はどうでもいいかもだけど、私は”彩”って呼ばれたい。」
落ち着いた声色でそう告げる。我儘かもしれないけど、これはどうしても、呼ばれたかった。
「は?…や……でも…その。」
私の彼氏、上杉君は狼狽えている。いつも冷静な彼らしくはなかった。
「付き合ってるんだから、名前で呼んでもらう権利くらいあるでしょ。」
上杉君はまだ赤いまま、戸惑っている。
「さあ、呼んで!!」
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作者名:ぬの | 作成日時:2018年5月6日 11時