恋で瞬く感情 ページ2
ドキンドキン、バクンバクン。上杉君のその笑顔で一瞬で恋に落ちてしまった…。
本当に恋は落ちるものだとは思わなかった。いつのまにか好きじゃなくて、私は一瞬で落ちてしまったの。
きっかけは些細なことだけど、それで私をこんな感情に陥れるなんて、思ってもみなかった。
その感情は、私の全世界を支配するようで、ふとした瞬間に上杉君のことを考えてしまってる。
例えば、数学の時間だったら上杉君なら一瞬で解けてしまうんだろうなとか、今何してるんだろとか、青色が上杉君のイメージにそっくりってくだらない事を思ったりする。
バカバカしいけど、結構楽しかったりもするんだ。元気だってもらえるし。
会いたい…。でも、私達って、kz以外の接点がないから中々会えないんだよね。
カフェテリアにも最近いないし…。
そんなことを考えながら秀明に向かった。秀明は、上杉君と再び出会った場所だから、思い入れがある。
今日はかなり早めに秀明に向かったから、ほとんど人はいなかった。
自分の教室へ向かおうと、足を速める。
「立花。」
「上、杉君」
え?え!?上杉君!!?内心、かなり焦っていた。だって、今考えてた人が、好きな人がいきなり目の前に現れるんだもの。
「立花、声固すぎ。何かあった?」
そう言われ、顔を覗き込まれる。近い、近いって!本当、意識したら心臓が鳴り止まない。
精一杯、普通の声色で言った。
「ううん、何もないよ。
それより、上杉君は?」
上杉君はポカーンとしていたけど、自分の言いたかったことを思い出したのか、いつものクールな姿に戻った。クスクスクス。
「いや、しばらく会えてなかったし、会いたいって思って。今日、一緒に帰れるか。」
何か、素直。いつもはそんなこと、チラッとも言わないんだけど、私と会いたいって言ってくれて嬉しい。
「いや、こ、これはその…。会いたいっていうのは…」
私が、黙ってるのを不審に思い、気づいたのか、慌てて弁解を始める上杉君。その頬は少し染まっていた。
「と、とにかく!秀明が終わったら、ここで待ってるから!」
言い終わるやいなや、ダッシュで駆け出し、階段を上がる。そんな姿も好きって思えた。
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作者名:ぬの | 作成日時:2018年5月6日 11時