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やっぱり。 ページ32

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ひぇっ…ありがとうございます…!

____。

先輩とも話して、先生は何かを話したかったみたいだけれど、挨拶とお礼だけして返してもらった。
早めに家に帰って思いふける。
Trickstarのプロデュースも結局放り投げてきてしまった。
どうやってお兄ちゃんに説明しようか。

でもやっぱり思う。羽風先輩は話を聞いてくれた。寄り添ってくれた。

嬉しいのかな。嬉しいんだ。でもそれ以上に申し訳なくて。私なんかが誰かに頼ってしまったという事実がもう申し訳なくて。

ため息が漏れる。

薄暗い部屋でただ1人。
腕の傷をがりっ…と引っ掻く。

血は流れていくはずなのに、どうしてかな。もうこれも痛くないや。

ぐちっと爪がくい込むのに何も感じない。
悲しくもない。虚しいのかな。

ガチャ…っと家の扉が開く音がして我に返る。
お兄ちゃんだ。
でも大丈夫、お兄ちゃんはいつも幼なじみのお家に行くか、リビングにいる。それか自分の部屋。
きっと私の部屋には来ない。

でも何でかな。足音がこっちに向かってきてる。この血を見られたらやばい。本能的に長袖を戻して何食わぬ顔でそこにいる様を装った。

「A。ただいま、お前体調は大丈夫なのか?」
『うん?おかえり。体調?いつも通りだよ。どうしたの?』

2人面と向かって話すのが久しぶりでどこかぎこちなさを感じてしまう。

「だって今日、お前が倒れたって『…!なんで知ってるの。』

我ながらとても冷めた声が出たと思う。

「羽風先輩が、お前の携帯に電話かけたら出て呼び出されたから、」
『羽風先輩なの?先生とかじゃないの?Trickstarのプロデュースの話からとかじゃないの?』
「だって、プロデュースのやつは伝達ミスで伝わって無かったって佐賀美先生が…」

もう訳が分からない。お兄ちゃんにはバレちゃいけないのに。心配かけて無駄な負担をかけちゃいけないのに。

「だから、心配したぞ。羽風先輩じゃなくてオレにも頼ってくれていいんだぞ。ほら、何だってんだ、その、お兄ちゃんにも頼ってくれよ。」

お兄ちゃんは自分も大変な中で私に声をかけてくれている。それは分かるのに、痛いほど分かるのに、お兄ちゃんの言う”心配”がどうしようもなく薄っぺらく感じてしまって。

羽風先輩じゃなくてって何?お兄ちゃん?

嗚呼、私はいつからそんなに贅沢になってしまったんだろう。心配という言葉を使ってもらえること自体が贅沢なことなのに。

我慢の限界だった。

爆発。→←手を取った。



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夜空 -Night Sky-(プロフ) - すごく面白いです!!続き楽しみです!...完結? (2020年8月20日 0時) (レス) id: 2b2a41cc61 (このIDを非表示/違反報告)
緋凰(プロフ) - みかん星人さん» はっ…!確認してみたらそうでした…!ひぇっ…、やらかしです、、ご指摘ありがとうございます!更新頻度はバラバラですが、これからもよろしくお願いします! (2018年9月23日 23時) (レス) id: 2788ca1a51 (このIDを非表示/違反報告)
緋凰(プロフ) - 佳乃さん» 描写は自分の好きなように、綺麗に描写できるように、心がけているので嬉しいです!ありがとうございます! (2018年9月23日 23時) (レス) id: 2788ca1a51 (このIDを非表示/違反報告)
みかん星人(プロフ) - お兄ちゃん。のとこのホッケー、サリーの間違いじゃないですか?すいません!更新楽しみにしてます! (2018年9月23日 0時) (レス) id: 8089ca85b5 (このIDを非表示/違反報告)
佳乃(プロフ) - 真緒くんの両親が酷い・・・ただ描写が切実で切ない・・・思わず泣きそうになりました。 (2018年9月18日 22時) (レス) id: a3cd6ccc41 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:緋凰 | 作成日時:2018年7月20日 0時

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