第59話 ページ41
(わかってはいた。わかってはいたけれど、ゼン様の友人が敵だと知ったゼン様の顔は...。)
「...あ、兄上......。」
目でアトリは何も悪くないとそう訴えるような悲しげな瞳をしていた。
その目を見つめ返すイザナの目はどこまでも深い色をしていた。
やがて前から目をそらし、そして
「名と用件を聞こうか。」
「...その前に剣を捨ててもらいましょうか、イザナ殿下。」
「名乗れと言っている。」
先ほどゼンを見た時のような感情は一切こもっていない陶器のような目、それで睨まれた男達はいっせいに寒気を感じた。
「一年前当主が裁かれた、リドの一族の成れの果てですよ。」
ゼンが息をのむ音が聞こえた。
「リド...!」
ミツヒデも驚きを隠せないようだ。ただ1人イザナ殿下だけはそんなものは知っているという顔をしていた。
「イザナ殿下...、あなたがリドとスイの領主問題を収束させ賞賛された裏でどれだけの親族が生きる術をなくしたとお思いか。」
「...どれだけかは知らないがどんな連中かはわかる。当主の駒にされている風な被害者面で、善良な者を踏みにじり、自分の懐を肥やしていた馬鹿どもだったな。」
その時、Aがその場に到着した。そっと物陰から様子を伺っていると、男の歯ぎしりとともに言葉が聞こえてきた。
「なんだと...。」
「違ったか?一族の中でも己の利益ではなく領民の事を考えてきたものは、今もあの地でこの国のために尽力してくれているのだがな。それに助力もせん逆賊がどこで息を潜めていた?」
冷たくそして相手を見下すような言い方をするイザナにその場にいた逆賊達は一気に気色ばむ。
(イザナ殿下の言っている事は正論だ、でもだからこそ相手は余計に苛立ち暴力に頼ろうとし出す危険性がある...。)
「アトリ!そいつももう用はない!イザナはここで殺す!!」
(アトリ!?彼がここに、やはり戦力なのか、わかってはいた...わかってはいたけれど!それに殺す...アトリを殺人者になんてさせない!)
「イザナ様!後ろにも2人!」
「ゼン!!」
滅多に声を荒げないイザナに大声を出され、ビクッとするゼン。
そしてミツヒデとイザナが同時に動き戦いの火蓋はきられた。
「...アトリ...、お前もか...?お前もリドの逆賊か。」
腰にさした剣へと手を当てる。
「...そうですよ。...もう恨みを晴らすくらいしかやる事がない。」
ゼンに向かってゆっくりと弓矢を向けるアトリ。
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える@低浮上(プロフ) - ワンダーランド☆さん» わああありがとうございます!! (2016年9月3日 23時) (レス) id: 452b3821d2 (このIDを非表示/違反報告)
ワンダーランド☆(プロフ) - える@低浮上さん» 嫌なわけがないです!!ぜひぜひよろしくお願いします!! (2016年9月3日 23時) (レス) id: 56d0db472c (このIDを非表示/違反報告)
える@低浮上(プロフ) - 失礼します、あの、もしよかったらあなたの作品のスピンオフを書かせていただいてよろしいでしょうか……!! 嫌なら全然構いません! (2016年9月3日 22時) (レス) id: 452b3821d2 (このIDを非表示/違反報告)
ワンダーランド☆(プロフ) - えるさん» ありがとうございます!頑張りますねー! (2016年7月31日 16時) (レス) id: 56d0db472c (このIDを非表示/違反報告)
える(プロフ) - オビ好きなのですごいおいしく読みました!!更新まってます! (2016年7月30日 14時) (レス) id: 5e75a04cfe (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ワンダーランド☆ | 作成日時:2015年12月16日 20時