マイクの管理人さんの違法マイク狩り

１９本目 ページ20

独歩目線




小学生にカツアゲをされそうになった俺を助けてくれた女性。



筆湊Aさんというらしい。


年下らしく呼び捨てでいいと言われたが一応Aさんと呼ぶことにした。




身長は俺より１０センチくらい低くて…顔はすごく、すごく整っている。

可愛くてきれいで性格もいい。

俺なんかとは比べ物にならない…






いやこんなこと考えるなんて気持ち悪いな。

俺なんか俺なんか…。





『あの、観音坂さん？』



不思議そうにAさんが俺を覗き込んでくる。




独歩「あ、す、すみません…。」



そんなに綺麗な顔を俺に近づけないでください。


俺の空気でけがれてしまう。






だから俺は早歩きで先生の病院に向かう。


俺の空気にあまり触れさせないように。




病院に着くとそのまま早歩きで先生の元へ向かい、ノックをする。





独歩「先生、観音坂独歩です。失礼します。」




今までで一番滑舌がよくて早口だったと思う。





寂雷「いらっしゃい、独歩君。」





一二三「独歩ー！おつかれー！」






独歩「一二三！どうしてここに…。」







俺が驚くと一二三は不思議そうに首を傾げた。



一二三「あー！独歩忘れてるだろ！昨日言ったじゃん！今日先生のところに集合だって！」




独歩「え…。あー…。」



確かに昨日言ってたような言ってないような…。





一二三「あれ、じゃーなんでここ来たの？」






独歩「あ、それは…。」




俺はAさんのことを思い出す。


そして恐ろしいことに気が付いてしまった。








一二三がいる…！




極度の女性恐怖症の一二三がいるここではAさんを治療してもらえないんじゃないか…。



すみませんすみませんこれも全部俺のせい俺のせい。




『か、観音坂さん…はやいです…。』



少し遅れてAさんが扉から顔をのぞかせる。



はっ…！さすがに女性には早かったか…！

独歩「すみませんすみません俺が急いだばっかりに…！」



そう謝罪をするが一瞬で青くなる俺の顔。



『大丈夫ですよ。』



にこっと笑うAさん。



聖母か。



そう思ったのもつかの間。






一二三「え、え…。」



一二三の震えた声がした。

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