♯50 ページ50
(亮介side)
今回ばかりは、言い方少しキツかったかな
「春市ー」
春「兄貴?桃乃どうしたの?走っていってたけど…」
「あ〜…勝手にいじけただけでしょ。練習、いくよ」
春「え?うん」
桃乃はクッソ生意気だけど、傷つきやすいってことくらい、14年兄をしてきたからわかっていたつもりだった。
春市とおんなじくらい頑固だということも知っていた。
時折見せる桃乃の暗い表情についても、どうしたのか聞けば、『そんな顔してないし。っていうか私のことずーっと見てるわけ?亮ちゃんほんと私のこと好きよね』と返されてきた。
春「ねぇ、兄貴…ほんとに何もなかったの?」
「は?」
春「あ、いや…兄貴、すっごく顔怖い…強張ってる。」
「気のせいでしょ。別に桃乃がどうなろうと、知ったこっちゃないし」
春「ほんと?」
「生意気」
春「ねぇ、あったんでしょ。兄貴からは見えなかったかもだけど…桃乃……その…泣いてたから」
泣いてた?
桃乃が?
「何それ。なんで桃乃が泣くの」
春「知らない。兄貴、何か言ったんじゃないの?」
「………ごめん春市。練習、他のヤツとやってて。ちょっと桃乃のとこ行ってくる。朝練までには戻るから」
春「え!?」
春市に云い残して、1年の教室に走った。
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作者名:みょん丸 | 作成日時:2017年9月18日 23時