♯49 ページ49
『邪魔』
亮ちゃんは、いつからそう思っていたのだろう。
練習の邪魔だから座ってて。
そういう意味だよね。
存在を否定されたわけじゃないよね…
でも普通に考えて、私みたいな生意気野郎の相手してくれる人って、そうそういないよね…
春ちゃんも、邪魔って思ってるのかな
「ぁぁ〜…」
ほんとバカ。
何こんなことで悩んでるんだろう。
バイトだってあるし、勉強もしなきゃいけないのに。
「変態みたいじゃん…兄相手にこんなこと…」
恋心ではない。
[憧れ]だった。
1番近くて、1番遠い。
それは春ちゃんにも、亮ちゃんにも持っている感覚だった。
春ちゃんにとっての亮ちゃんも、きっとそうなんだろう。
憧れすぎて夢に見て、そこでまた喧嘩するけど、目がさめるとやっぱり憧れは消えなくて
プレゼントが入った袋を出して、
手紙を書いた。
【亮ちゃんへ 使わないと呪う。】
【春ちゃんへ 使わないと呪う。】
我ながら馬鹿だな。
自分の書いた字を見て思った。
書かなくても、この気持ちは伝わってしまっている気がする。
そうでしょ?亮ちゃん、春ちゃん。
21人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:みょん丸 | 作成日時:2017年9月18日 23時