【学園BSR】馬鹿は治らない！【政宗】 (ページ2)

今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:427 hit

はじめまして！ページ2

5月。GWが明け、生徒たちの気が抜けたところに私は行く。

先生の後を歩きながら、神様！平凡な毎日を送る平凡な私にどうか、ぎょっと驚くことを起こして下さい…！なんて祈ってみる。

転勤族の私は皮肉なことに、転校生としての挨拶に慣れてしまっていて、また訪れたこの機会に内心うんざりしていた。
しばらくはこの土地に落ち着くはずだけど、多分だからなぁ…。

1人もんもんとしていると、ドアの向こうから呼ばれた気がして、我に返った私は教室に入り、教卓のそばまで歩みを進めた。
笑顔、準備おっけー！

「はじめまして！Aです。これからよろしくお願いします！！」

そう言いながら教室を見渡す。
やっぱり、この変な時期に訪れた転校生が物珍しい顔はしてる。

慣れてるから、別にいいけどさ！

信号機みたいな色の3人が目立ったけど、まあそれぐらいで、クラスの雰囲気も悪くない。
なんて思ってたら、どういう訳か先生が席替えをすると言い始めて、まだ席のない私はただただ見守るだけだった。

席替えが終わり、ガヤガヤとした空気のなか、私はちょっとだけ冷や汗が出てた。
だって…。

「アンタが俺の前かよ」
「む！背後からの奇襲はやめていただきたい！」
「政宗、席変わってくんねぇ？」

信号機に囲まれたから。
窓ぎわの1番後ろなのは寝やすいからめちゃくちゃ嬉しかったのに、前が黄色、その隣が紅、そして私の隣に蒼がいる。
女子でかたまってる所もあるのになぁ…と思いながら視線をあげると、振り返っていた紅色の人と目が合う。

「某は真田幸村！よろしくお願い申す！」
「あ、Aです！こちらこそ！」

意外と懐っこい顔で笑いかけてくれたから、少しびっくりして間が抜けちゃう。
もっと堅物っぽいのかと思っちゃった。
そうしてると、前の黄色の人が私より長い髪を揺らして振り向く。

「俺は前田慶次。よろしく！Aちゃん」
「どうも！けっこー馴れ馴れしいですね！」
「ひどっ！」

黄色の人───前田さんも人懐っこいみたい。
懐っこすぎて、馴れ馴れしいけど。
勢いでいけるかなと思って横を向くと、隻眼と目が合う。

「よろしくお願いします！えっと…」
「伊達政宗だ」
「伊達さん！よろしくどうぞ！」

隣の席の伊達さんは、ちょっと冷たいかなと思いつつ、二人との温度差もあるよなぁと考え直した。

…うん。
決して悪い人たちじゃないけど、巻き込んできそうな人たちに囲まれてしまって、神様にお願いした前言は既に撤回したい！