薄桜鬼〜I wish happiness be always with you〜

#9　意地 ページ10

「うはー・・・また派手にやってるねぇ・・・」

池田屋内は斬られた敵がごろごろ転がっていて

ゾッと背筋を凍らせるような光景が広がっている。

二階からはまだ乱闘の音が聞こえてくる。

私は階段をフワッと上り、新選組を探す。

？)「うおりゃーー！！」

奥の部屋辺りから誰かの声が聞こえてきて

さらに刀のぶつかり合う音も聞こえてくる。

私がそちらに向かって歩いていると、背後に気配を感じた。

敵)「曲者、覚悟ー！！」

振り返ると敵がいて、刀を振りかざしている。

ブンッと降りてくる刀をフッとよけ

私は忍者刀を突き刺した。

敵)「うがあぁああ・・・・」

？)「相手の見極め力もつけとくとよかったのにね。」

敵の後ろから声がして敵が倒れると姿を現した。

「総司、お疲れー。」

総司)「まだ平助が戦ってるけどね。
だんごちゃんを助けにきたんだけど、そんな必要もなかったみたいだし。」

「背後取られたくらいじゃそうそう負けないよ。
てか背後程度で斬られたら商売あがったりだっつの。
それより、怪我してるじゃん。大丈夫？」

総司)「うーん、歩けるけど大丈夫じゃないなぁ・・・
だんごちゃん、おぶって。」

「甘ったれんな。馬鹿。」

二人でのんきに笑いながら、未だ刀の音が聞こえる部屋へと向かう。

スッと中をのぞくと、平助と二十代くらいの侍が戦っていた。

どうやら苦戦しているよう。

「うーん・・・どうする？」

総司)「別に助けてあげてもいいけど
平助にも意地ってものがあるからね。
しばらく様子見でいいんじゃない？」

男の意地ってのはやっかいで、傷つけられると相当落ち込む。

歳三の意地を傷つけたときは一ヶ月くらい無視されたし。

「総司はこのまま近藤さんたちと合流して。
私は屋根裏から・・・」

敵2)「うぎゃああー！！」

総司)「その必要もなくなったみたいだね。」

「・・・・平助、死ね！」←

せっかく策を考えたのに、この状況で終わらせるか！？

平助)「はぁ・・・はぁ・・・
あ、総司。だんご。」

「・・・終わらせるならさっさと終わらせろよ。
こののろま。」

総司)「ぷっ・・・くくく・・・」

平助)「え！？俺頑張ったのに！！
それはねぇだろ！！それに、怪我だってしてんだぜ！！」

私は無視して

総司は笑いながら

私たちは池田屋を出た。

#10　おぶって→←#8　暴れるか

ラッキーアイテム

革ベルト

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す