薄桜鬼〜I wish happiness be always with you〜

#28　初の試み ページ29

慶応二年十月。


芸子)「今晩のお相手させていただきますえ。」

秋も深まってきたこの時期に、左之のおごりで呑みにいくことになった。

なんでも、一ヶ月前の制札警護で見事に手柄を立てたらしく

報奨金が出たのだ。

新八)「左之〜！！さすがだ！太っ腹！」

平助)「酒、うめぇ〜っ！！」

酒大好きな新八と平助は嬉しそうにお酒を呑んでいる。

総司)「ねぇ、だんごちゃん。」

「んあー？」

お酒を呑んでいると、総司に突然呼びかけられた。

総司)「せっかく呑みに来たんだし
どうせなら、芸子の姿してよ。」

「・・・はい？」

私は耳を疑った。

何？女物の着物を着ろと？

平助)「いいじゃん！いいじゃん！
だんごの娘姿見てみたいし！！」

新八)「そりゃ名案だ！！なぁ、土方さん！」

歳三)「え！？・・・あ、あぁ・・・。」

歳三まで乗りやがった！

芸子)「よろしゅおす。さぁ、こちらですぇ。」

「えぇー・・・」

私、物心ついたころから男装してんのに。

何この初の試み的な感じ。

私は芸子さんに引っ張られ、着替えに行かされた。


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芸子)「みなはん、お待っとさんどした。」

芸子さんに促され、私は部屋に入る。

平助)「お・・・おぉ〜・・・」

新八)「すげぇ・・・」

「それどっちの意味？」

左之)「さすがに似合ってるなぁ〜！」

一)「・・・・」

総司)「そうだね。綺麗だと思うよ。ねぇ、土方さん？」

総司の問いかけに、歳三は顔を赤くする。

歳三)「え、あ・・・き、綺麗だと思うぞ・・・。」

「やっぱり〜？まぁ、知ってたけど〜(笑)」

私がそう言うと、その場が盛り上がる。

楽しい雰囲気に、私はまたお酒を呑み始めた。

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