[第15話] 今だけ ページ9
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ザック「……だから、お前のいいように使われてやるよ。」
ザックはそう言って注射器二本を自分の腕に刺した……
みるみる薬はなくなっていき、空になる。
___カランカラン…カチッ
ザック「……カギ、開いたな。
……おい、さっさと行くぞ。」
ザックはそう言って先に扉に入っていった。
レイ「……。」
…
ザック「くそっ!
さっき、から、
耳、の、中に チラチラ、 と…!」
ザック「アァアアァア!!!!」
____ザックside.
ザック「(…テレビ、つけたままにしてやがる。)」
テレビの中は恋人二人が体を寄せ合っている中、どんどん近づいていく殺人鬼。
そして、殺人鬼は斧を恋人二人に振り下ろして__…
___あぁ、なんだ。
こうすりゃあいいんだ。
……
次に意識が鮮明に戻ったのはもうあいつら二人を殺したあとだった。
…もうコイツらは動かない。俺に命令しない。
俺の持つ包丁から血が滴る。
ザック「ヒャハ、」
天気は雨だった。
____
レイ「ザック、大丈夫……?」
___ザッ
レイ「____!」
俺はいつでもレイの首が切れるように鎌を構える。
これで引けばすぐに首は飛ぶ。
ザック「…たくて、」
レイ「…?」
ザック「殺したくて殺したくて殺したくて!!
頭がどーにかなっちまいそうなんだよ!」
レイ「……そう。
…私は構わない。」
ザック「あぁ、そーかよ!
そうだよなぁあ!?」
俺はレイの首を絞める。
殺したい。
今すぐ、殺して殺して殺して殺してッ……
ザック「じゃあ、死ね。」
こんなガキを殺すなんていつでも簡単で、
殺せばきっと俺は最高に楽しい気分になれる。
殺ス殺ス殺ス殺ス。
レイ「…けど、ザックはいいの?」
___ドクン…
殺したい。
ザック「……あぁ!?」
レイ「ザックはまだ外に出てない。
それに……私の顔はまだつまらない顔のままなんでしょ?」
殺したい…!
ザック「今更脅してんのか、ああ!?」
レイ「違う。」
さっきからこいつは何を言ってるんだ。
___ドクン…
だって俺はこの生き方してこなかった。
レイ「…神様への誓いはあなたがしてくれた。」
___ドクン…
早く黙らせないと、ああ…
こいつの声と心臓と雨の音が響いて…
レイ「だからあなたの誓いでもある。」
うるさい。
___ドクン…
レイ「…今は命令もしない。お願いもしない。」
うるさい。
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春猫(プロフ) - もちもちさん» もちもちさん、コメントありがとうございます!頑張ります! (2020年11月14日 20時) (レス) id: 04f98dae4c (このIDを非表示/違反報告)
もちもち - 面白いです!これからも投稿頑張って下さい! (2020年11月14日 17時) (レス) id: 605db3ee9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春猫 | 作成日時:2020年11月11日 7時