検索窓
今日:31 hit、昨日:3 hit、合計:108,451 hit

準備 ページ34

また私は、白い空間にいた。




体育座りをしていると、声をかけれた。




この全身ピンクの人は、風子さんだ。





周りが白いせいで、風子さんが目立っている。




彩「風子さん、私いなくなるの?」




風子さんはピンクの唇に人差し指を当て、首を横にふった。




モスピンクの瞳は儚げで、どこか哀しそう。



彩「私、いついなくなるの?」




風子さんはその質問には答えなかった。








風「彩ちゃん、貴女が一番嫌なことはなぁに?」



彩「…自分が、消えちゃうこと。」


風「どうして、嫌なの。」





彩「私が消えちゃったら皆、私の事を忘れる…」







風子さんは優しく私の頭を撫でた。



風「私が、彩ちゃんのために魔法をかけてあげる。皆が彩ちゃんを忘れない魔法を、ね。」


魔法?


おとぎ話でしか聞かない単語。


現実味のない単語。









風「そのためには、彩ちゃんが皆との思い出を思い出さないと。」






風子さんに促されて、私はポツポツと話し始める。









話す度に風子さんは指をならした。




そうすると、風子さんの指からピンクの光が出てくるの。









これは、私が死ぬための準備。









一度そう考えてしまうと、頭から離れない。







また私に“死”という恐怖が、のしかかってくる。









冷たくなった頬を、冷たい涙が伝う。





風子さんは綺麗な指で、涙を拭ってくれた。




その涙は、キラキラと黄金色に光って、消えていった。





 









キョトン、としている私に風子さんは微笑んだ。







風「世界で二番目に美しい魔法だよ。涙を笑みに変える魔法。」





そう言う風子さんは、今までの風子さんと雰囲気が違って。







ちゃんと、妖精なんだなぁ。



って。



まぁ、妖精っていうよりは、神様のほうがシックリくるんだけど。








彩「一番、美しい魔法は…?」







風「んふ、秘密。」









 





フワフワ笑って、ウインクを飛ばす、風子さん。





あ、今までの風子さんだ。









………なんか、安心。

小塚side→←“いつか”の定義



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.7/10 (83 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
65人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

通行人A - 虐待をネタにしないでください。虐待経験のある自分からすると物凄く不愉快です。病気もそうです。 (6月18日 12時) (レス) id: 05d80f8ec1 (このIDを非表示/違反報告)
lovesea - 感動でした!! 今度は、アーヤが生きていてほしいです。あと、私は上彩推しなので、この二人中心だと嬉しいです。 (2020年10月6日 14時) (レス) id: cd2f91d5b2 (このIDを非表示/違反報告)
花桜L - ゆづづんさん» ありがとうございます!スピンオフ書くので、そちらも是非楽しんでくださいな♪ (2019年12月8日 9時) (レス) id: 4c799f114d (このIDを非表示/違反報告)
ゆづづん(プロフ) - 面白かった!お疲れ様でした! (2019年12月7日 20時) (レス) id: 566d442984 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - いえいえ、これからも楽しみにしてます!頑張ってください!! (2019年12月7日 11時) (レス) id: ebf2abea67 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:花桜L | 作者ホームページ:http://uranai:nosv.org/u.php/hp/elu  
作成日時:2019年4月15日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。