いつかいなくなる私は 探偵チームKZ事件ノート

眠り姫・・・なんて ページ4

小塚side

無機質な感じ、薬品の匂いがプンプン・・・ここは病室。

皆、シーンと静まり返っている。

アーヤが事故にあって一週間。でも僕たちはまだ状況を理解できていない。

ピッピッピッという心電図の音だけが響いていた。

黙りこくる僕たちの視線の先はもちろん、アーヤ。

白い肌に茶色の髪の毛がかかっていて、とても綺麗だった。

・・・こんなときに、なんだけどね。

目、開いてくれないかな・・・そう思うけど、目は開かない。

脳にも心臓にも、手術のおかげで異常なし。

あとは本人の気持ち次第、らしい。

アーヤ、起きたくないの？目を覚ましたくないの？

・・・僕たちに会いたくないの？

そんな事を考えてしまって不安になった。クルリと皆を見回す。

若武は睨むようにアーヤを見ていた。

上杉は心電図とアーヤを見比べていた。

黒木は哀しそうな瞳でアーヤをジッと眺めていた。

美門は不安そうに瞬きをしながらアーヤを見ていた。

七鬼は無表情。

一番冷静そうな七鬼だけど、本当は一番焦っている。

だって、貧乏ゆすりをしているから。

誰も、何もできない。

だって君が起きるかどうかは君の気持ちしだいだから・・・。

今のアーヤは眠り姫だね。

眠り姫みたいに王子様のキスで目覚めればいいのにね。

あ、だめか。

誰が王子様役かでモメるから。

お願い、起きて。目を覚まして。

僕たちのお姫様・・・。

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