いつかいなくなる私は 探偵チームKZ事件ノート

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山「待ってたよ、彩さん。」


医者らしい、優しげな笑みを浮かべた山崎さん。


私は軽く頭を下げた。



山「陽性が、どういう事かはある程度分かるだろう。」

彩「はい。」



山崎さんがカチカチとパソコンをいじる。



山「……」

彩「あの、ストレートに言って下さい。」


山崎さんはズレた眼鏡を直して、私と目を合わせた。



山「悪化している。」


予想していた言葉。表情。



山「発作はどうだい？」

彩「最近は起こってないです…」

山「うん、薬はちゃんと効いてるんだね。よかった、よかった」



山崎さんはホッとしたようだった。



彩「私、あとどのくらい生きられるんですか！？」



これが、一番聞きたかった事。


山「患者にソレは言えないんだよ」


彩「お願いです！教えて下さい」



山「この調子でいくと…1年…いくかどうかというところかな。」


1、年…


私は、高校生になれないの？


kzと過ごせる時間がどんどん少なくなっている…。




山「薬で発作を起こりにくくしておくが、ソレは悪化していないわけではないんだ。ソレは理解しておいてください。」







私はもちろん、と頷いた。





彩「ありがとうございました、」



ガラガラ…とドアを閉めた。



冷たい風に煽られて、乾いた目から涙が流れた。


鼻の奥がツーンとしたのを隠すように、鼻をすすった。


あーあ。


私、あと1年生きれるかどうかなんだってさ。


中学生で一生を終えるなんて、早い。



kzに話してしまおうか。


皆、きっと困るでしょ。


私が急にいなくなったら。


　
　









まぁ、急に、



“あと1年の命だ”って言われても困るよね。




あ、まって。


今、1年の命って言ったけど、1年生きられないかもしれないんだった。








危ない危ない。


無駄に希望を持つとこだった…

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