異「第７４話。」 ページ30
――りーちゃんが学校に来ない。
この前、″あんなこと″があったからだろうか。
もしそうじゃないとしたらどうしてだろう。
僕は思考を巡らせていた。
あのとき。鴉杞姉によばれて放課後楽園部に行った僕のようすを偵察していたのは、
そいつらは名を〈ナギ〉と〈雅〉とかって云っただろうか。最初に口を開いたのは雅のほうで、なんかみょうに思い詰めた表情で、「その話はもうするな」って言ってきた。
それにナギのほうも、珍しく記憶操作をしてこなかった。よくわからないが、〈仲間〉であるはずのふたりの表情を見るに、りーちゃんの身に何かあったのは確かだった。
もし、何かあったなら。なにか自分にできることがあるなら、してあげたい。そう思った。
「……でも。でも、僕は」
ただ、(僕が出たって、かえってりーちゃんを傷つけることになりかねない……)その思いが強く、どうしても動き出せずにいる僕であった。
†+†+†+†+†
「はぁ……」
私は、ひとり戦武の部室にいた。
あれから、気力を失った異月ちゃんに倣うかのように、冥飴、薔汰くん、万里、遊羽先輩、結奏先輩、紡戯先輩……といったふうに、皆部室に顔を出さなくなっていった。
したがって今は、本当に私ひとりだ。
あのとき、
あの言葉が、未だに頭から離れずにいた。
何故あんなことを言ったのか。
何故あんなに思い詰めていたのか。
あの子たちにとって、凛蕾ちゃんとは″何″なのか……
それが分かるのは、まだ先の事になりそうだ。
「ふう、少し考え疲れたわね……寝ようかな」
そう呟いて私は、冬支度を始めた部屋のカーペットに横になって、やがて、すうっと微睡みの世界へと落ちていった――
†+†+†+†+†
あー。お久しぶり過ぎる更新となりました。
ごめんね！←
いつのまにか台本書きが消えてんのは無視してね！というわけで、ことことりんりんにパスる。
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作者名：華瀬咲來 ＆ +琴凛.*♪ x他2人 | 作者ホームページ：http:
作成日時：2015年9月13日 18時
