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「いったい、どんな演習をするつもりですか?」
三人が帰った後純粋な興味から聞いてみれば、さっそくイチャパラの続きを読み始めていた先輩は顔を上げ少し考えた後。
「明日のお楽しみってことで」
「いえ、明日私は別の任務があるので演習を見ることが出来ないので今教えていただけますか」
「あ、そうなの?」
七班担当、とは言ってもさすがに上忍が二人もつきっきりになれるほど今この里に余裕はなく、週に三度ほどはほかの任務に駆り出されるであろうと踏んでいる。勿論私だけではなく、空いた時間にカカシ先輩も呼び出されることがあるだろう。
「ただの鈴とりだよ」
ただの鈴とりでないことは明白だが、それ以上聞いても教えてくれなさそうなのでなにも聞かなかった。うっとうしいなんて思われたら私が死んでしまうからだ。
「そっちは何の任務」
私がする任務に興味があるのか、ただ任務のほうに興味があるのか、他人からすればどうでもいいことだろうがもし仮に前者だった場合私は今ここで裸踊りをしてもかまわない。
ただ本人に聞く勇気もないので確かめる方法がないのだ。
「ただの、後始末です」
「そう、それはご苦労さまだね」
基本フォーマンセルで行われる任務だが、もし仮に任務が失敗すればその後始末に駆り出されることもあり……なぜかその後始末は高確率で私に回ってくるのだ。
めんどくさいこと極まりない。だけど仕事なので文句も言ってられないし、仕事があるだけありがたいことだと思うようにしている。
まぁ……私任せにもほどがあると思わなかったことがないと言えば嘘になるのだけど。
なんてね、それだけ頼られてるってことだから忍び冥利につきるってものですよ。
そんなことよりも今からカカシ先輩をご飯にでも誘えないものだろうか。とぼとぼ歩きながら五分経ち、十分が経ち、いつまで経っても私の口は先輩をご飯に誘ってはくれなかった。
「私、こっちなんで」
いまだに本を読んでいるカカシ先輩に、帰宅方向を指さしで伝えれば本から顔を上げないまま「おつかれさん」と言われてしまった。
別れが惜しいのは私だけだったようだ。
そんなところも先輩らしくて素敵だが…。先輩にお疲れ様ですと返し背を向けてから私はまたがっくしとうなだれたのだ。
ちらりと先輩が帰っていったほうを振り向けば変わらず本を読みながら歩いていて、こちらを振り向いてくれる様子はなかった。
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蒼葉(プロフ) - カカシ先生すっごいかっこいいです!!面白いです!!更新待ってます! (2019年3月29日 15時) (レス) id: 23fe071b17 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:柚子豆腐 | 作成日時:2019年3月5日 2時