【期間限定！？】みかん福袋！！

第三みかん・レッツミカン！　アイムミカン！ ページ6

三月も終わる頃。

高校では珍しく体育祭の練習中だ。


みかん人間と僕が通う高校はいつもより盛大な雰囲気が漏れていた。


近所迷惑も良いところだ。 僕のクラスはみんな声がバカでかい上に妙に熱血男児が多い。

しかも、いっそ窓を開けちまおう！ と全開にし応援歌を歌って……いや叫んでいる。

勿論女子も負けてられねー！ とムキになり声を全力投球だ。

因みに組団は紅組、青組、黒組がある。

僕らのクラスは黒組。スローガンは “天空に轟け！ 漆黒の稲妻” である。なんだか厨二病っぽく見えるかもしれないが一応みんな真面目である。

二年連続黒組で去年もたしか厨二病っぽかったようなきがする。忘れたが……

「オラ！ ソード夫人声出せやぁぁぁぁぁぁ！」

「あ、お、お、お、押っ忍！」


いきなり黒組副団長の市楢葉 無双(しならば むそう)くんに叫ばれた。クラスで僕はいつの間にかソード夫人と呼ばれるようになっていた。

無双君は学年一の熱血硬派……あ、例の有名ゲームではなく……とにかくだ、熱血問題児なのだ。


“燃える炎に 清い海 全ては包まれ消えてゆく 闇はすべてを包み込み 二つの希望は灰となる”


クラスの全員が叫んだこの応援歌……。なんかヤバイ。いろんな意味で。 希望を灰にすんだぞ……嫌だわ……

文句を一人で言っても意味が無い、また呼ばれると嫌なので声を頑張って出だした。



＊


「いやぁ、ソード夫人くん、みかん人間くん、さっきは興奮していてな…！ 君たちは何か……こう、感じたんだ！ 今まで済で静かにしているもんだから話しかけづらくてすまなんだ……」

「む……無双くん……、ぼ、僕君みたいに熱い奴と仲良くなれて嬉しい！」

「私、無双くんみたいな人好きだよー！ みかんくんには負けるけど」

「お、そ、そうか！？ よし、今日から俺たち四人は熱血四人組だぁぁぁぁ！！」


エヘヘと照れながら叫ぶ 市楢葉 無双くん

ギロリと無双くんを睨むみかん人間

変人に囲まれた僕。



なぜこうなった。


気づくと僕とみかん人間、新歌ちゃんに、無双くんの四人で校庭で円陣を組んでいた。



無双くん曰く、みかん人間の熱血ぶりに感動したらしい。空きをついてお弁当に誘うことに大成功したのである。

類は友を呼ぶとはこういう事なのか、と改めて実感した。

だが、僕まで完全に変人グループに仲間入りだ。

僕はとことん変人に囲まれる運命だとでも言うのか……

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