ガキはガキなりに. ページ40
.。沖田side
懐かしい夢をみていた、こん汰がいなくなる夢だ。
泣き喚いたのを覚えている。
息が出来ないほど苦しくて辛くて…、あんな思い二度もしたくないと思った。
最後まで俺のものにはならない。結局は皆俺から離れていく。
それが堪らなく悔しかった。
俺を置いてどっか行く奴は嫌いだ。ましてや、俺の初めてを奪っておきながら平然と消えるあいつが一番大嫌い、.........嫌いなはずなのに...愛おしい。
嫌いだ、何もかも。
弄ぶ気がいつの間にか俺が泳がされていた。
こうなるなら、最初から好きに何てならなけりゃ良かった。
恋が人を変えてくれるならあいつを変えてほしい。
俺の都合よく、従順に、俺から離れられないように。
…苦しい。
「はっ…。夢の中で回想してた」
目を開けると見慣れた天井が映っていた。
日はもう上がっていて時計は六時、少し嬉しかった。
いつも土方が起こしにくるので目覚めが悪い、だが今日はそんな朝は来ない。
早起きは三文の得というのは本当らしい。
「あ、こんt___っ…!?」
起こそうと隣を見たがこん汰はいない。
まさか、俺が寝ている間に帰って___。
声も出ない、ただ心にぽっかりと穴が開いた。
その穴を中心にだんだん周りも崩れて行く、俺は布団に逆戻りした。
古びた天井を見上げながら喪失感に浸る。
後悔だけが頭に浮かびあーすればこうすればと過去の自分をひたすらに責めた。
意味がないことは分かってるのに。
考えるのが嫌になった俺は布団に潜った。
感情が収り、落ち着いてきた頃部屋の戸が開いた。
「誰だ?」と思いながら布団の間からこっそり外の様子を盗み見る。
Aだ。
昨日はぐれてそれっきりになっていたがどうにか帰ってこれたんだろう。
『おはようございます、起こしに来たんですが要らなかったか…』
「...る」
『はい?』
「要る。ここに居ろ」
行かないでほしくて必死にAを繋ぎとめる。
ガキのように口を膨らませ、自分よりも細い腕にしがみ付いてみた。
何故かほっとしてゆるゆるだった涙腺が崩壊する。
「...んぐッ.......」
『隊長!?』
何泣いてんだ俺は。
恥ずかしい、しかもよりによってAの前…!!
声を殺している筈なのに嗚咽が込み上げてきたせいで隠す余裕さえできない。
この光景を見るなり、Aは心底可笑しそうに口元を押さえ笑った。
(こん汰に似てる…。)
気づけば目の前の野郎に深い口づけを交わしていた。
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- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
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ラッキーアイテム
作者の頭。←沖)こらァ必須ですねィ。
☆ラッキー食べ物☆|沖:食べれるもんなら食べてみろ!!
酢昆布。←沖)苦手、酸っぱくていけねーや。
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作者名:依 と❕‎🤍 | 作成日時:2021年2月14日 0時