最後の時間. ページ38
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あれから色々と歩き回って、食べ物やら何やらを貰った。
断っても何かと言い訳をつけて無理矢理渡してくる、気持ちだけで十分なのに。
「しー、静かにな」
そう小声で呟く。
今は裏庭から屯所に入ろうとしている真っ最中だ、みつからない様に足音を潜めて入って行く。しかし、皆任務で忙しいのかあまり人は見当たらなかった。運よく誰にもみつからずに沖田の自室に行けた私達は「ふぅ」と同時に息を吐いた。
『意外とチョロかったね』
「あぁ。もっと人居るかと思ってた」
『…楽しかったなー。っと』
私は沖田がいつもつかっているであろう布団にダイブした。
落ち着く匂いが充満していて、気を抜くと今にも寝てしまいそうだ。
うっとりしていると寂しそうな声でこう告げられる。
「もう寝ちまうのか。こっからが楽しいのに」
『ごめんごめん、遊び疲れちゃった』
「...明日帰るんだよな」
この問いかけには頷いて返した。
寂しいだろうな。久しぶりに会えたのに直ぐお別れだなんて。
出来るなら私もこのままで居たい、けど...。
暫く黙っていた沖田だが腰から刀を抜くとその場に置いて私の隣に来た。真夏でただでさえ暑いのにそんなことお構いなしで布団に潜り込んでくる。
隣を見ると悪戯な笑みを返された。その瞳は微かに潤んでいる。
どうすればいいか考えているとグッと引き寄せられた。
沖田の手が腰に回る、次第に足も絡めてきた。
「ごめん、こんなことして…。」
『謝んないで。私もしようと思ってたし』
「…嘘つけ」
ふっと笑う姿に愛らしさを感じる。
頭を撫でてみると、私を包んでいた腕が強くなった。
「何か変だ、今すげぇ幸せなはずなのに胸が苦しい。満たされてるはずなのに全然足りない。おかしくなっちまった、もっと触りたくて仕方なくて…」
『…じゃあ今日だけは好きなことしていいよ、何でも』
「そんなこといって…。下手したら襲うかもしんねーんだぞ」
『...いいよ』
声が震える。やっぱり怖いのかもしれない、そういうことがすることが。
すると頭を撫でられる感覚を感じた。
がさつで不器用で慣れていない撫で方だ、沖田らしい。
「んな震えた声で言われて出来る訳ないだろ。冗談でィ」
「おやすみ」と一言いうと、それっきり声は聞こえなくなった。
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- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
作者の頭。←沖)こらァ必須ですねィ。
☆ラッキー食べ物☆|沖:食べれるもんなら食べてみろ!!
酢昆布。←沖)苦手、酸っぱくていけねーや。
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作者名:依 と❕‎🤍 | 作成日時:2021年2月14日 0時