暗い夜に. ページ18
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いきなり遠くに明かりが見えた。
明かりは俺の方へと躊躇なく進んでくる。
その明かりの正体は俺の目の前まで来てやっと分かった。
「こん汰…!!」
目の前には雨に打たれ、びしょ濡れになったこん汰が居た。
手にはちょうちんをぶら下げている。
俺は抱きつこうとするが、それより早くこん汰が抱きしめてくれた。
『見つけた…、怖かったよな』
「うん…!ありが…と…。見つけてくれて」
『いいんだ。早く帰ろ?』
優しく尋ねてくれるが俺は首を横に振った。まだ怖くて足が動かない。
俺が俯き気味に震える手を合わせていると上にこん汰の冷たい手が覆いかぶさった。俺を安心させようと重なった手は俺以上に震えていて、とても小さかった。
『大丈夫だよ』
「...こん汰、手震えてる」
『えっ嘘だろ…!ご、ごめん!』
「雨の中だったから冷たくて」と焦ったように呟く。
違う、多分それだけじゃない。こん汰も怖いんだ。
俺の為に平気なふりして…。
気づくと俺はこん汰を包み込むようにして抱きしめていた。
「さ、寒いならこうしたらあったかくなるだろ…」
ぶっきら棒に告げたその言葉に安心したのかこん汰はいつの間にか寝ていて、雨や雷もやんでいた。
俺は自分に体を委ねているこん汰を抱きながら体を横に倒し、眠りに落ちた。
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「そんなことがあってからなにも怖くなくなった。どーだ、いい話だろィ」
『ですね……あっ何か照れ臭くなってきた…!』
「ん、何で?」
『いっいや!何でもないですよ?』
「…へぇ」
『__隊長は、わ……こん汰さんのこと恋愛感情として好きだったんですか?』
「…そーだけど」
『だったら隊長こそホ●ですよ!男同士ですよね』
「ううん、あいつは女だ。いなくなってから近藤さんに教えてもらった。それ以外はあいつのこと教えてくれないんだけどな。言いたくない事情があんのか、はたまた口止めされてんのか」
『え、知ってたの!?』
「は?」
『あっ…あぁー!今のは違います!なんでもないんで!』
なんだこいつ、すっげー怪しい。
本当にこいつこん汰なんじゃ…
『こん汰さんもきっと、好きだったと思いますよ』
「…お前、やっぱ__『あー!もう遅いですし帰りましょっか!』
「...そうだな」
俺の手を引くそいつの笑顔はこん汰の顔と嫌なくらい重なって、目を離せなかった。
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- 金 運: ★☆☆☆☆
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作者の頭。←沖)こらァ必須ですねィ。
☆ラッキー食べ物☆|沖:食べれるもんなら食べてみろ!!
酢昆布。←沖)苦手、酸っぱくていけねーや。
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作者名:依 と❕‎🤍 | 作成日時:2021年2月14日 0時