昔話2. ページ2
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道場から逃げ出して三日経った頃だった。
俺は不貞腐れて道場を休んでいた。
「なんであんなガキ道場なんかにいれたんだよ…」
『__沖田』
慣れない声が俺の名を呼ぶ。
後ろを振り返るとあの時のガキが立っていた。
俺がジッと見つめていると躊躇いなく俺の隣に座った。
一体何の用だ?
『すまない』
「!」
あまりに細く発せられた言葉に思わず耳を疑った。
こいつは何もしていないのに、何で。
するとガキは俺の疑問に答えるかのように話し出した。
『俺にはお父さんがいるんだ。もう、死んじゃったけど』
『父は偉大な人だったよ。己だけの力で名門の当主まで上り詰めたんだ。でも病が悪化するにつれて剣術の腕も落ちて行って…。
死んだ頃には道場も塵芥。残されたのは俺と母の二人だった』
「……そんなに好きなら、なんで母ちゃん置いて出てったんだよ」
『何でだと思う?…別に大した理由じゃないけど』
「言ってみろ」
『え?照れ臭いな。
……実は俺、侍になりたいんだ。』
男なんだから当然だろと思った。
だがあまりにも目を輝かせていうもんだから、俺は言うことが出来なかった。
多分、何か並々ならない事情があるんだろう。
「..反対されてるのか?」
『当たり。お父さんのことを思い出すから嫌なんだろう』
「……」
『でも俺はお父さんみたいな人になりたくて』
「だからこのおんぼろ道場に拾われるようわざと近藤さんに目をつけたんだな」
『うん、人がいいあの人ならこんな俺でも受け入れてくれると思って』
『君の立場を奪う気は無かった、本当にすまない』
「別に、怒ってねーし」
『いや怒ってただろ。流石に三日も道場休まれるなんて思ってなかった』
「あんな生意気な奴が三日でこんな柔らかくなってるなんて、俺も思ってなかったけどな」
『確かに…』
こいつは笑った。
最初に見た顔とは大違いな明るく、可愛い笑顔だ。
あまりに可愛いかったので思わず鼓動が早まってしまう。
なんだこれ。これは…、
いやこいつ男だしそんなんありえない。
…でも、もっと知りたい。
「お前、名前は?」
『あぁ。俺の名前は___』
.。
山「隊長ー!沖田隊長!!」
「何でィ山崎か。どうした」
山「もー…、忘れたんですか?今日は新しい隊士が来るらしいから皆集まるってことになってたじゃないですか。早く来てください!皆待たせてますよ」
「あーそういや…」
俺はザキに引っ張られ、屯所へ向かわさせられた。
- 金 運: ★☆☆☆☆
- 恋愛運: ★★★☆☆
- 健康運: ★★★★★
- 全体運: ★★★☆☆
ラッキーアイテム
作者の頭。←沖)こらァ必須ですねィ。
☆ラッキー食べ物☆|沖:食べれるもんなら食べてみろ!!
酢昆布。←沖)苦手、酸っぱくていけねーや。
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作者名:依 と❕‎🤍 | 作成日時:2021年2月14日 0時