心に ページ17
銀「…あ」
「…あ」
…万事屋の玄関先にて、二人の大人が揃ってそんな声を漏らしていた。万事屋のインターホンを押そうと指を伸ばしていたところ、調度いいタイミングで銀時が玄関扉を開けて出てきたのだ。伸ばしかけていた指がピタリと止まり、いつも通り気だるげな目と私の目がパチリと合う。口をぽかんと開けたままの銀時は、とんでもない間抜け面をしていた。
「…何その顔」
銀「…うっせ」
どことなく、銀時が気まずそうなのは気のせいだろうか。なんだか居心地が悪そうに目線を何処かに泳がせている。先程パチリと目が合っていたのに、すぐに逸らされてしまっていた。不思議に思いながらも私はそこまで気にせずにいることにした。幼馴染み相手に変な気を使うのもおかしな話だし。
「急にごめんね、出掛けるとこだった?」
玄関先に出てきたということは、銀時はこれから何処かに行こうとしていたのだろう。何か、その手には何かが入ったビニールを持っているし。そう思い問い掛けると、「あー」と、そんな声を漏らし、答える。
銀「……お前んとこ行こうとしてた」
「私んとこって、真選組じゃん」
銀「そーだよ」
どうやら銀時は、真選組屯所に向かおうとしていたらしい。真選組を謎にめちゃくちゃ嫌っている銀時がわざわざ屯所に顔を出そうとするってことは、考えなくとも私に用があったのだろう。なら、来て正解だった。
「そっかそっか!じゃ、銀時が出掛ける必要はなくなった訳だ」
銀「つかお前ここまで一人で来たのかよ、誰か連れとか居るんじゃ…」
「お邪魔しまーす」
銀「聞けよ!!」
銀時が何かをピーチクパーチク言っている間に、私は万事屋に足を踏み入れることにした。問答無用で靴を脱ぎ、ズカズカと上がっていく。「ったく…」と呆れた声が聞こえたけれど気にしない。幼馴染み相手に遠慮なんてしたらおかしな話だもの。
「新八くんと神楽ちゃんは?」
銀「二人ともどっか行ったよ」
「え、何、家出!?」
銀「散歩だろ!!!」
どういう経緯でそんな考えに辿り着くの!!と、銀時は喚く。そっか。二人とも居ないのか、と少しだけ落胆しつつ。
「はいコレ、幼馴染み様からのありがたーいお土産」
銀「いやお土産はありがたーく受けとるけど!!お前さっきの話聞いてましたか!!」
「右から左に受け流してました」
銀「受け流すなアアアア!!」
心に刻めエエエエ!!と。何処かで聞いたことのあるフレーズをシャウトしながらに、銀時はソファーにドカリと腰かけ、渡したものをテーブルに置いた。
392人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「銀魂」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ピピコ(プロフ) - 獅子の子さん» やったよ土方さん!!やっちゃいましたよ土方さん!!!しーちゃんのコメントで叫びそうになってるピー姉です(笑) キュンキュンしてくれたなら嬉しい!!あ、でもご飯はちゃんと食べてください(笑) これからも存分にキュンキュンしてくれるように頑張るね!! (2017年11月27日 22時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - 蜜柑さん» 蜜柑さん!ありがとうございます!!土方さんが遂に始動です!!どうやってこれからアクションさせようか試行錯誤中ですが、かっこよく出来たらいいなと思ってます!これからも悶絶して頂けるようなものを書けるように頑張りますので、お楽しみ頂ければ幸いです!! (2017年11月27日 22時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
獅子の子(プロフ) - あ''ああああああああぁぁあぁ、よくやった土方ァ!! と心の中で叫びまくってるしーちゃんです。こりゃたまらんですよピー姉!! あんたって奴はどうしてこうも私の胸をキュンキュンさせるのが上手いんだい!? これから一週間飲まず食わずでも生きられそうだよ! (2017年11月27日 0時) (レス) id: d0488b3ee5 (このIDを非表示/違反報告)
蜜柑(プロフ) - うわああああああああ( *´艸`)土方さんがついに言った!!((うるさくしてすみません笑)この先も楽しみです。更新待ってます! (2017年11月26日 23時) (レス) id: 6a812c0c50 (このIDを非表示/違反報告)
ピピコ(プロフ) - ヨッシーさん» ヨッシーさん!ありがとうございます!電池のとこは人気があって嬉しいです!下手な誤魔化しをする土方さんは完全に私得なんですけど、そこを通ってからのイケメン!みたいな(笑) これからの展開にご期待くだされば幸いです!頑張らせて頂きます! (2017年11月26日 23時) (レス) id: 0ec549c041 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ピピコ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/pipiko1030/
作成日時:2017年11月6日 18時