その手をとって契約を 【あんスタ】

ろくページ目 ページ8

「えっと・・・A、どこも悪くない？」






スバルに言われ、手を何度も握ったり、閉じたりする



どこも悪くない・・・









と思った瞬間だった





「っ！！」








心臓が急にどくんっと大きく動いた




それと同時に頭が真っ白になる




思考が停止する・・・体中に何か熱いものが駆け巡る




言葉では表現できない物が体内から出てこようともがく





私はそれを必死に抑えようとする








次の瞬間、頭の中に声が響く





「さあ、俺の手をとって・・・俺と契約して！」





それは、まぎれもないスバルの声で差し出されているのはスバルの手だった








なぜかスバルの顔は見えなかったけれど、どこか笑っている気がした





私は迷いもなく彼の手を掴む









すると、一気に現実に引き戻される感覚に襲われた




気付けば、私の手を握りながらスバルが心配そうに私の顔を覗き込んでいた









「A、ホントに大丈夫？急に黙り込んじゃったけど・・・」







どうやら、さっき起こったことは気のせいだったのか・・・







スバルになんともないよと答えるとほっと息を吐き出した








「どうやら、成功したみたい。よかった☆」





?マークを頭に浮かべる私にスバルは私の胸近くを指さす




よく見てみると鎖骨あたりに小さな星の刻印が刻まれていた





スバル曰くこれが契約の証らしい








「それじゃ、これからよろしくねA」








私はこの時の彼の笑顔を忘れることはないだろう








そして、私の日常はこの日から変わっていった




まるで誰かに仕込まれたかのように




また一ページ、ページがめくられていることも知らずに

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