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「僕が、浦島坂田船のメンバーなんです」
「え……と、浦島坂田船って歌い手の方達なんですよね…?と、ということは…折原さん歌をお仕事にされてるんですか!?」
「ええ、まぁ。本職は営業やってます」
「え、え、じゃあライブ出てるって事ですよね!?CDもあんなに出して!!?」
「ありがたいことに」
「えええめっちゃすごいじゃないですか!!!」
目をきらきらと輝かせる彼女の反応は、正直予想していなかったものだった。
歌い手のことをほとんど知らない彼女がここまで楽しそうに話をしてくれているのは少し嬉しい。
「一緒に暮らすなら、僕のことちゃんと話さなきゃなと思いまして。あまり公には出せない話ですけど…」
「ああ、だからあんなに緊張してらしたんですね!」
「えぇわかりました…?」
「ばればれでしたよ」
彼女はくすくすと、口に手を当てながら笑う。なんだか一気に気が緩み、自分まで笑顔になってしまう。
さっきまでの少し張りつめた空気から一転、またいつもの柔らかい雰囲気へと戻った。
「ライブのリハやツアーもありますんで、家に戻ってこられない日が結構あるかと…すみません」
「ぜんっぜん大丈夫です!ちゃんとお話してくださってありがとうございます」
彼女はにっこりと笑いながらそう言い、お茶を一口。
「そういえばこのお茶、どうですか?ハーブティーなんです」
少し黄色っぽい、独特な花の香りのするハーブティー。
一口飲むと、爽やかな香りが口全体に広がる。香りの第一印象よりもずっと優しく、口当たりの良い味だ。洋菓子と一緒に食べたらもっと美味しいだろうか。
「すごく飲みやすくて美味しかったです。あと、なんだかほっとしました」
「ふふ、それはなによりです。
これはカモミールティーです。リラックス効果があるんですよ。折原さん緊張していたみたいだったので、少しでも和らげばと思って」
またもやここまで考えていてくれていたのか。
彼女の心遣いに本当に感謝しながらまた、優しい味のするカモミールティーを口にした。
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ことみ(プロフ) - いちたにさん» もちろんっ! 素敵なお話、お待ちしております♪ (2019年7月29日 3時) (レス) id: 58ea8aaecc (このIDを非表示/違反報告)
いちたに(プロフ) - ことみさん» お気遣いありがとうございます、ゆっくりではありますが書いておりますのでもう少し更新を待っていただけると幸いです (2019年7月29日 3時) (レス) id: 3105139abf (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - いちたにさん» あらまぁ。。。更新が止まっていて、それでいて本人がいるなら更新停止状態にしたほうがよいと思います。なんか上から目線ですみません(>_<) (2019年7月29日 1時) (レス) id: 58ea8aaecc (このIDを非表示/違反報告)
いちたに(プロフ) - ことみさん» すみません!更新が止まっているだけで終わりではないです(汗) (2019年7月29日 1時) (レス) id: 3105139abf (このIDを非表示/違反報告)
ことみ(プロフ) - なんで、終わりになってるんでしょう。。。? わざと、です?まぁなんにせよ、更新楽しみにしてますね♪ (2019年7月28日 3時) (レス) id: 58ea8aaecc (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いちたに | 作者ホームページ:
作成日時:2019年2月9日 20時