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15日目 ページ17

Aと話したりできるのが、大体2時間くらい。夕方限定だから仕方ないけど



「やっぱり来てくれた〜!」



ありがとう、と笑う彼女は幼く見えて頬が少し緩む



「一松はいつくらいに来たの?」

「昨日だけど…」

「じゃあそのすぐ私見つけたんだ!なんか凄いねっ」



「何が凄いの…」と聞いても、凄い凄いと笑うだけだった



僕たちのやりとりはそんなもので、いつもAは笑いっぱなし


僕は別に笑いはしなかったけど、笑顔で僕に話すAにまた惹かれていった



「すぐ帰っちゃう?」

「ううん。あと一ヶ月以上はいるよ」

「そっか!じゃあまだたくさん話せるね!」

「僕は特に話すことないけど…」

「私は一松と話すの楽しいよ?一松は楽しくない?」

「………暇ではない」

「変なの」



そして少し沈黙


沈黙はやっぱ僕嫌いだな。気まずいし何したらいいかわかんないし


そういえばこいつ、どこ住んでるんだろ…



「ねぇ」

「んー?」

「Aってどこ住んでるの?」



ピクリと揺れる彼女の肩
さっきまで笑ってたその顔には影がかかり、目は泳ぐ


そして数秒後彼女はある方向を指差した



「あっち!」

「えっ…あっちって……」



僕も彼女の指指した方を見る
けどそこには疑うしかないものがあった


だって



「あそこって………【山】?」



緑が生い茂る山
今は夕日で茶色にみえるけど


でも、女の子が一人で山で暮らしてるの?いやでも一人とは限らないし…



「あそこら辺に小屋があってね、そこに住んでるの」

「一人で……?」



そう聞けば苦笑いを浮かべ答えた



「そんなわけないじゃん」



でもその言葉に違和感を覚える
どこにかってわけじゃないけど、何かがおかしい…



何が………?



「一松、もう帰んないとだよ?」

「え、あっ……」



携帯を見れば【18:47】の文字
そんなに話し込んでたっけ…


聞きたいことか色々あるけど、それはまた明日にでも聞くか


僕は立ち上がり階段へ向かう



「一松、また明日ね!」

「うん。じゃあな…」



大きく手を振る彼女に答えるように、僕も小さく振り返した




「________もしかして、すぐバレちゃうかな…」




そんな言葉は、僕の耳にまだ届かない

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リオ(プロフ) - のんのんさん» ああああ、ありがとうございます!嬉しいです!感激です… (2018年9月25日 7時) (レス) id: 0673ec93e1 (このIDを非表示/違反報告)
のんのん - 涙がボロボロ出てしまいました。私的にはこの話の映画が出たらいいなと内心思いました。これからも頑張ってください! (2018年9月25日 0時) (レス) id: 4f4766f7d4 (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - レミリアさん» 最後まで読んでいただきありがとうございました! (2018年1月8日 8時) (レス) id: 4940cabbbd (このIDを非表示/違反報告)
レミリア(プロフ) - このおはなしすごく面白かったです! (2018年1月7日 23時) (レス) id: 8e9961abf9 (このIDを非表示/違反報告)
リオ(プロフ) - うむ(´-ω-`)ありがとう! (2017年10月16日 15時) (レス) id: ebaca7d72e (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:リオ | 作者ホームページ:http://uranai.nosv.org/u.php/hp/rio1001/  
作成日時:2017年7月21日 17時

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