大倉くんのヒロインにはなれない。 (ページ20)

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20.安田くんの告白ページ20

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横山先輩と焼肉を食べて、1人改札口に向かってたら

「っえ…？大倉くん？」

大『…、』

「…(誰か、、待ってる？)」

バイト終わりの大倉くんが、こんな駅の前で
誰と待ち合わせだろう。一花ちゃんはまだ
あの焼肉店に居るはずだし……。

キョロキョロしてる大倉くん。
私は思わず足を止めて、物陰に隠れた。

なぜ、、

こんな事をしたのかと

すぐに後悔するのに。

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「(あれ、、？安田くん？)」

なんだ。安田くんが大倉くんと待ち合わせしてたのか。

「(え、、)」

2人は、話し合いをしてるみたいだった。

けど、大倉くんが安田くんに

大『ふざけんな！！』

と怒鳴りつけた。

それは、私にも聞こえるくらいで。

わたしは思い出した。
1年前のこの季節に、一花ちゃんと大倉くんが
違う道を歩き出したあの日の放課後を。

気がつけば、私は

「やめて…！」

安『！？』
大『A、？』

二人の間に身体をねじ入れて、仲裁に入ってた。

「どう、したのっ！？」

大『……、、』

安『…。限界やねん…』

大『だから何でなんって！』

「だめっ、大倉くんっ」

大『っ〜！！』

また大倉くんが安田くんを掴もうとするから
必死に抱きとめる。

安『俺は、一花と…別れたいねん。』

え……？

一花ちゃんと別れたい……？

大『一花は、ヤスが好きやねんで？』

安『もうしんどいねん！！！』

大『なにがっ？意味わからんってちゃんと言うてや』

安『一花が好きなんはずっと昔から！

ずっと昔から、っ…大倉やねん』

大『は…………？』

ああ……

終わった。

嘆きにも近い安田くんの声を、言葉を聞いた瞬間…

そう思った。

頭が真っ白になった。

そして、今の大倉くんの世界にはもう、私は居ない。

事実を知った大倉くんの世界に私はこれっぽっちも
存在しない。

最初から、分かってたことなのに。

大倉くんの目は、一花ちゃんしか見てないこと
分かってたのに。