大倉くんのヒロインにはなれない。 (ページ19)

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19.焼肉は涙の味(y) ページ19

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大倉は、一花ちゃんが好きって言ってた。

一「あっ！見っけ！忠義！」

大『一花…』

それは今も、変わって無いんやと思う。
というより、長年好きやった人やから、なかなか気持ちを折り切ることが出来ひんのかなって、思う。

大『なんで、』
一「お母さんから聞いてきちゃった(笑)」
大『はあ…、一花1人？』
一「ううん。もうすぐうちの家族来る」
大『そっか。』

大『じゃあ…』

１回俺らを見て、目配せでゴメン、と言うように一花ちゃんを部屋に案内しに行った大倉。

「……」

横『(複雑やな)』

一花ちゃんは今、ヤスの彼女で。

Aから話を聞く限り、前は大倉と一花ちゃんは両想いやったらしいけど、1年の時なんかで喧嘩？してそっから2人はすれ違ったって。

横『俺は、Aの味方やから』

「横山先輩…」

横『Aにだけ味方がおらんの、不公平やん。』

「ありがとうございますっ」

大倉は、Aをどう思ってるん？
ときたま見せる、嫉妬にも近いその言動はなんなん？
気になってるんじゃないん？

「横山先輩、このお肉美味しいです、」

横『……その涙は、美味しすぎて？』

「も、…っもちろんです！」

ちょっとでも気になってるなら、こんな風に
Aを…泣かせんといて欲しい。

「横山先輩、、美味しいっ」

横『うん。わかったよそれは。』

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俺は、Aの味方。

味方でおらなあかん。

それ以上を望んだらあかんねん。

「横山先輩が、、大倉くんなら良かったのにな」

そんなこと言われたら、

望んだらあかんって思ってても、望んでしまう。

ほんまに代わりが務まらへんのかなって。
俺じゃあかんのかなって。

焼肉食べながら泣くAに、手を伸ばすことは簡単やけど、そこは踏み入れたら俺がもう…

もう、後戻りできひんくなる。

味方でおれんくなるかも。

横『ゆっくり食べや、』

情けな…。
お肉焼いたるぐらいしかできひん俺ってなんなん？

「おいしいっ、おいしい」

テーブルの下で握った拳に力が入る。それくらいに俺はAの事を、

好きらしい。