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『死』というもの ページ4

あれから、1時間程がたった。
命に別状はないらしく、今はまだ眠っているらしい。


「亜希子.....」


そぉっと病室に入り亜希子のもとへ行った。


「山田様はまだしばらくは眠っていると思いますのでゆっくりとお過ごし下さい。山田様が起きましたら、お呼びください」


そう言って、病室を出て行った。

俺は寝ている亜希子の横にあった本を手に取った。
彼女はどんな本を読んでるのか、ふと気になったからだ。亜希子の体調が良くなって、病院から出れるようになったら本屋さんか、図書館に行って本をたくさん買おうと思った。

本を開くと題名にはこう書いてあった、
『寿命』______。

あらすじを読むと、亜希子と同じ寿命があと半年もない、お嫁さんの感動ストーリーだった。
俺は自然と涙がこぼれていた。
俺に大丈夫と微笑みかけていたが、本当は怖い、死ぬのは嫌だと思っているのかもしれない。


「あら、人様の本を勝手に読むなんて、失礼ねぇ。うふふ」


「あっ、ごめん...」


声のする方を見ると亜希子が笑っていた。


「いいのよ。この本を読んで亜希子は死にたくない、怖いんじゃないかって思ったでしょ?」


少し意地悪そうな笑みを浮かべて、彼女はそう言った。


「ま、まぁ...」


「ふふっ。私はね、全然怖くないの。だって、人はいつか必ず死んでしまうでしょ?」


亜希子は遠くを見つめ話し始めた。


「抵抗していても仕方ない。その『いつか』がやってくるまで私は楽しく幸せに今を生きるの」


そういうと、彼女は無邪気に笑った。


「僕も、亜希子と今をいk「山田さーん起きましたか?」


僕の言葉を遮るように看護師が入ってきた。


「起きましたね、体調はどうですか?」

「良いです。ありがとうございます」

「そうですか、それでは。また何かありましたらお呼びください」


そう言って病室を出て行った。


「そういえば、なんて言ったの?」

「ううん、なんでもない」


すると亜希子は、そう…と言った。

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設定タグ:余命三ヶ月 , 思い出 ,   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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苺大福 - 秘密だおさん、コメントありがとうございます!「僕」は、優しい、紳士のような性格にしたかったので、そう言っていただけて嬉しいです。 (2019年2月10日 2時) (レス) id: 7fe0549102 (このIDを非表示/違反報告)
秘密だお - 亜希子さんの年齢層がわかり辛いです。でも「僕」の優しいところがかなり好きです (2019年1月27日 10時) (レス) id: cb505d6806 (このIDを非表示/違反報告)
苺大福 - 鉛豆腐屋さん、コメント有難うございます!面白いと言っていただけて良かったです!これからも頑張りますので、引き続き見ていただけると嬉しいです! (2018年10月23日 23時) (レス) id: 7fe0549102 (このIDを非表示/違反報告)
鉛豆腐屋 - 亜希子さんが好きな本のことが詳しく書いてあり、とても面白かったです。 (2018年10月23日 22時) (レス) id: 825cd368f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:苺大福 | 作成日時:2018年10月21日 18時

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