緊急事態 ページ3
1週間が経った。亜希子は相変わらず冷静で、落ち着いていた。
「見て、今日は空が綺麗ね」
亜希子は、窓から空を眺めそう言った。
外からの光で、彼女の瞳が輝いている。
「そうだね、散歩でもする?」
空は青く澄んでいて、雲一つなく綺麗だった。
「そうね、散歩でもしましょうか」
そう言って、亜希子ベッドから降りた。
亜希子は入院はしているが外に出たりするのは大丈夫なのだ。遠出や、運動は控えるようにとは言われてる。
「風が気持ちいなぁ...」
病院の中庭に来た。たくさんの種類の花が咲いていて、風も優しく吹いていて気持ちがいい。
「空気が美味しいわぁ」
髪を風になびかせ、彼女は言った。
「また、二人で何処か行きたいね」
そう僕は言った。亜希子が入院する前までは、たくさん色々な所に出掛けていた。水族館、動物園、映画...思い出が蘇る。
「私の体が良くなったらね...また行けるかしら..」
うつむき、そう言った。
「いやっ、亜希子はゆっくりと治していってね」
僕は慌ててそう言った。申し訳ない気持ちになった。完全に治らなくても、少しでも回復し長く生きて欲しい。
「ありがとう、ふふふっ」
優しく微笑んだ。
「亜希子はどんな所に行きたい?」
亜希子に聞いてみた。彼女の行きたいところなら、どこだって行こう。
「...っ、はぁ...はぁ...っ」
「...亜希子っ?大丈夫かっ?」
亜希子を見ると心臓辺りを押さえ、苦しそうにうずくまっていた。
「誰かっ誰かっっ」
急いで看護師を呼んだ。
幸い、花の手入れをしている看護師がいて、駆けつけてくれた。
「大丈夫ですか?落ち着いて下さいね」
看護師は冷静に亜希子の背中をさすり
他の看護師を呼んでいた。
「弟さん、背中をさすってあげて下さい」
弟さん?僕は彼氏だ。弟に見られくらい頼りなく見えるのか…ってそんな場合じゃない。
「はっはいっ、亜希子、大丈夫か?」
亜希子は、心臓辺りを押さえ咳をしてうずくまっていた。
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
苺大福 - 秘密だおさん、コメントありがとうございます!「僕」は、優しい、紳士のような性格にしたかったので、そう言っていただけて嬉しいです。 (2019年2月10日 2時) (レス) id: 7fe0549102 (このIDを非表示/違反報告)
秘密だお - 亜希子さんの年齢層がわかり辛いです。でも「僕」の優しいところがかなり好きです (2019年1月27日 10時) (レス) id: cb505d6806 (このIDを非表示/違反報告)
苺大福 - 鉛豆腐屋さん、コメント有難うございます!面白いと言っていただけて良かったです!これからも頑張りますので、引き続き見ていただけると嬉しいです! (2018年10月23日 23時) (レス) id: 7fe0549102 (このIDを非表示/違反報告)
鉛豆腐屋 - 亜希子さんが好きな本のことが詳しく書いてあり、とても面白かったです。 (2018年10月23日 22時) (レス) id: 825cd368f6 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:苺大福 | 作成日時:2018年10月21日 18時