検索窓
今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:2,289 hit

手紙 ページ13

「お悔やみ申し上げます...」



今日は亜希子の御葬式。
「お悔やみ申し上げます」とたくさんの人に言われた。
まだ実感が湧かない。まだ亜希子はこの世にいて、病室に行けば「ビックリした?」なんて言って、笑いかけてくれるだろう。



遺影には、結婚写真の時の写真が使われていた。
最期まで綺麗なんだね...。
亜希子の親戚や、友達などに挨拶をした。
そういえば、僕は亜希子のことあまり知らなかったな...。


骨箱を抱きかかえ、最期のお別れをした。


病室に戻った。

「亜希子...」

そこに彼女はいなかった。
もう、僕に笑いかけてはくれない。


亜希子の身の回りのものを片していると、

「山田様の旦那様でいらっしゃいますか?」
と看護師さんに言われた。

僕が「はい」と答えると、一通の手紙を差し出し、
「山田様が、"私が死んだら貴方に渡して欲しい"と」
と言い残し病室を出て行った。

ベットに腰掛け、手紙を開いた。



[ 貴方へ

この手紙を読んでいるということは、

私はもうこの世にはいないのでしょう。

貴方と出逢えて良かった。

貴方を好きになって良かった。

私は勿体無いくらいの愛を貰いました。

毎日お見舞いに来てくれて、

時にはプレゼントをしてくれたり、

何処かへ連れて行ってくれたり、

さらにはプロポーズまで。

私とって、毎日がプレゼントです。

私は、この世で一番の幸せ者です。

貴方は、私といて、幸せでしたか?

私は、貴方に貰った分、それ以上に

愛を返せていたでしょうか?

もし、愛する人ができたら、私のことは

忘れて幸せになって下さい。

とても、幸せでした。

有難う。

愛しています。

愛しています。

亜希子より]

涙が滝のように溢れ出た。
文字が、僕の涙で滲んでいた。

僕も、亜希子と出逢えて良かった、
亜希子を好きになって良かった。
僕は、亜希子からたくさんの愛を貰ったよ...。

僕も、愛しているよ。

...忘れて幸せになって下さいって...。

こんな手紙を貰ってしまったら、忘れられる訳がないだろう......?

一生、忘れないよ。




君の分まで、僕は生きる。

終わり←愛



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 7.6/10 (5 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
設定タグ:余命三ヶ月 , 思い出 ,   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

苺大福 - 秘密だおさん、コメントありがとうございます!「僕」は、優しい、紳士のような性格にしたかったので、そう言っていただけて嬉しいです。 (2019年2月10日 2時) (レス) id: 7fe0549102 (このIDを非表示/違反報告)
秘密だお - 亜希子さんの年齢層がわかり辛いです。でも「僕」の優しいところがかなり好きです (2019年1月27日 10時) (レス) id: cb505d6806 (このIDを非表示/違反報告)
苺大福 - 鉛豆腐屋さん、コメント有難うございます!面白いと言っていただけて良かったです!これからも頑張りますので、引き続き見ていただけると嬉しいです! (2018年10月23日 23時) (レス) id: 7fe0549102 (このIDを非表示/違反報告)
鉛豆腐屋 - 亜希子さんが好きな本のことが詳しく書いてあり、とても面白かったです。 (2018年10月23日 22時) (レス) id: 825cd368f6 (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:苺大福 | 作成日時:2018年10月21日 18時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。