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一週間後...

「亜希子、結婚写真が届いたよ」


今日、病院に行く前に届いたのだ。
亜希子と見たかったので、まだ僕も見ていない。
亜希子に結婚写真のアルバムを渡した。

「どれどれ...わぁっ、素敵」

「本当だ......」

1ページ目は、僕が亜希子に指輪をはめている写真だった。
めくっていくと、次々に亜希子の綺麗な姿が目に飛び込んでくる。写真を撮って正解だった。

「写真、撮って良かったわぁ...」

「そうだね、思い出がまた一つ増えたね」

しみじみそう思う。僕たちは、あまり写真を撮ったり、動画を撮ったりしない。
だから、新鮮で良かった。

「亜希子、これからもずっと一緒だよ...」

亜希子の手に僕の手を重ねた。

「一緒に老いていきましょうね...」

そう言って僕たちは空を見上げた。
いつしか、眠りについていた。








「楽しい日々を有難う。愛しているわ。さようなら......」









「ん...寝てしまったのか...」

ふと気づくと、夕方の五時になっていた。

亜希子をみると、静かに眠っていた。
亜希子の顔に髪の毛が掛かっていたので、耳にかけてあげようと顔を亜希子に近づけた。.......寝息が聞こえない。

「亜希子、亜希子......」

そう呼びかけても、返事が無かった。
亜希子、君は僕の元から離れてしまったのかい.......?


一緒に老いていこうと、これからもずっと一緒だと、誓ったじゃないか...。

僕は、亜希子の手を包み、泣いた。



先生を呼んだ。検査によると、つい30分程前に亡くなったと言う。
余命三ヶ月と言われていたが、余命より、二週間も早かった。

「ご愁傷様です...」

そう言い残し、病室から出て行った。

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設定タグ:余命三ヶ月 , 思い出 ,   
作品ジャンル:恋愛, オリジナル作品
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苺大福 - 秘密だおさん、コメントありがとうございます!「僕」は、優しい、紳士のような性格にしたかったので、そう言っていただけて嬉しいです。 (2019年2月10日 2時) (レス) id: 7fe0549102 (このIDを非表示/違反報告)
秘密だお - 亜希子さんの年齢層がわかり辛いです。でも「僕」の優しいところがかなり好きです (2019年1月27日 10時) (レス) id: cb505d6806 (このIDを非表示/違反報告)
苺大福 - 鉛豆腐屋さん、コメント有難うございます!面白いと言っていただけて良かったです!これからも頑張りますので、引き続き見ていただけると嬉しいです! (2018年10月23日 23時) (レス) id: 7fe0549102 (このIDを非表示/違反報告)
鉛豆腐屋 - 亜希子さんが好きな本のことが詳しく書いてあり、とても面白かったです。 (2018年10月23日 22時) (レス) id: 825cd368f6 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:苺大福 | 作成日時:2018年10月21日 18時

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