鏡花や鏡花、愛しき鏡花

花が一輪 ページ3

パチリ、と目が覚めた。


夢から醒めたような、何処かふわふわとした感覚がする。

そんな中、目に映ったのは…、






私が最後に見た時より、数年ほど成長している鏡花の驚く姿と、銀髪の少年。

そして…、



その少年から流れる、紅い血だった。






尾「害獣の血でも、飛沫(しぶ)く様は美しいのう。

そうは思わぬかえ？




＿＿＿愛しの鏡花や」


そう言った女性を見ると、鏡花は瞬く間に顔色を変えた。


鏡「……！」


そこで私は気付く。



＿＿彼女は、鏡花の"敵"だ。


尾「息災じゃったか？」


ザッ、ザッと鏡花に近づく女性。


尾「私(わっち)がどれほどそなたを案じ、胸を痛めたか。
このような…、獣畜生共の下にそなたを残す事になって」


敦「ぐあっ？！」


彼が踏まれた時、鏡花は悲しげな…嫌、悲しいのだろう。
泣きそうな顔をした。


尾「じゃが、私が扶(たす)けに来た。
もう心配は要らぬぞ」


パチンッと、彼女の持っている携帯電話が閉じられる。


ああ、待って。私はまだ、あのk＿＿＿＿＿。









ふと、暗闇で声が聞こえた。


鏡「明るい世界を見た。

知らなかった頃には、もう戻れない」


尾「……それを使うな、鏡花。
使えば、そなたは」









震えながら、彼女は言う。

それは、私が何年も待ち焦がれていたモノ。








鏡「＿＿＿夜叉白雪。私の敵を倒して」








沙蘭(シャラン)、と簪がなる。









『＿＿＿＿御意に、我が主』

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