反社会的ユメノクニ。| Ryosuke.Y (ページ14)

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蝉「お前ってさ、
仕事場で男に言い寄られたりとかあんの？」

「どうだろう。たまに…あるかな」

行為後、微睡んでいたところに唐突に投げら
れた問いかけに意識を無理やり戻したせいか
つい適当な相づちで返すと

蝉「ッ、たまに興味を示すとこれだわ」

いつもの舌が鳴った。

蝉「さては隠してんだろ。俺とのこと。
ってか言えるわけねぇか」

首の下の腕が抜かれ体がシーツに転がると、
耳の横、両手をついた銀髪が視界を覆った。

虚勢の中に潜む悲壮感。
儚げに何かを訴えるこの目に……
わたしは前にも会ったことがあった。

孤独に打ちひしがれた時、
決まって見せる虚ろな眼差し。

「そりゃさすがに言えないよ。"わたしの彼氏
は殺し屋です"なんてね。

……ねぇ、もしかして妬いてるの？」

図星をついたのか、
窓の外に視線を逃したのが可愛くて、頭を撫
でようとしたけれど、プライドの高い天邪鬼
はそれを拒んだ。

「あ、可愛くないんだ。そんなの余計な心配
だって分かってくるくせにさ」

蝉「あ？」

そっか…
きっと彼はアノ(・・)こと忘れてる。

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