反社会的ユメノクニ。| Ryosuke.Y (ページ27)

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わたしの勤めている会社では、
下半期が始まって間もない十月下旬に毎年恒
例の行事がある。社員旅行だ。

今時珍しい贅沢なプランが組まれた旅行、
その日を心待ちにする周囲だったけれど、自
分だけは違った。

温水プール、露天風呂、マッサージ…
肌を露出してばかりの旅行は自分にとっては
煩わしいだけだった。

＊＊＊

『え、今年もアレきちゃったの？』

「うん…そうなんだ。残念だけど…」

『温泉くらい入っちゃえばいいじゃん。
生理なんて女同士、お互い様だよ？』

同僚の気遣いに胸が痛んだ。

「ありがとう。でもやっぱりやめとく」

『そ？じゃあマッサージくらい一緒に…』

ごめん…
それもダメ。

「……ごめんなさい」

だって……

わたしは人前でこのカラダを見せるわけには
いかないから。

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