な _ VII ページ7
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中島が目を覚ますと隣に居た筈のAが消えていた。
「…え？」
中島は起床した早々、頭の中がこんがらがっていた。
昨夜まで一緒に寝ていた少女が何時の間にか消えている、
昨日に少女に連れてこられた処に一人座っている、
しかも、少女は何処もいない。
立ち上がって周りを見回しても伸び切った雑草だけ。
「…詰んだ」
中島は取り敢えずAを探す事にした。
「おぉーい、何処〜？」
名前が呼べない為、Aに自分の声を聞いてもらって返事をもらうしかない。
「ねーえー」
数十分何処かに向かって歩いた。
だが、一向にAを見つける事ができない。
「白髪くーん」
中島は諦めかけて地面に座ろうとした時、何処からかAの声がした。
「右だよ〜、右」
中島は云われた通り右を向くと、遠くから走ってくるAが見えた。
「よかったぁ…」
へなへなと萎れる様に中島は地面に崩れた。
「如何したんだよ、白髪君」
Aは中島の許に着き訊く。
「…居なくなったのかと思ったから」
中島の声は段々と小さくなっていく。
「あら、心配してくれたの」
「ち、違う!!」
ケタケタと笑うAに真っ赤になって前言撤回しようとする中島。
「そ、それで何処に行ってたの」
中島は焦ったのか話を逸らした。
「ん〜？…散歩」
「もう、云ってから行ってよ」
大事に至らなくてよかった、と中島は溢した。
「大丈夫、大丈夫。君の前からは消えないよ」
さ、朝飯を食いに行こう、とAは中島の手を取った。
今日は三日目である。
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作者名：遠藤氏 | 作成日時：2020年4月18日 14時
