(↑続き) ページ19
(続き)
自分自身が揺らぎそうな衝撃に,思わず腹に手を添える。
同時に,男が瞬時に緊張し,立花を引き寄せた。
再び,じくじくと腹が病む。
まるで灼熱の球体が腹の中に鎮座しているような感覚。
何故かあの2人の方を見れば見るほど,酷くなっていくようだった。
帰って休養すべきだろうか。
あの男が立花に危害を加えるなどということは,恐らく無いのだから。
だが俺の足はその場を離れるどころか,一歩一歩引きずるように2人の後を追いかける。
立花の肩に手をまわしている男。
緊張しつつ,身をゆだねている立花。
男が何か言うたびに,立花は聞きもらすまいと真面目な顔で頷いている。
今この瞬間,立花の全てがその男に向けられていた。
男は立花にとってどういう存在なのか。
恋人,なのだろうか。
――ああ,灼熱の球体が,爆ぜそうだ。
直感が体内を駆け巡ったのと同時に,立花と男は離れた。
息を整える間もなく,二手に分かれていく。
男は路地へ,立花は街中へ。
迷うべくもなかった。
球体が坂を転げ落ちるより早く,立花のもとへ向かう。
彼女をこの腕の中に捕らえたなら,腹の熱は終息するのだろう。
あるいは彼女自身の口から,「何でもない」という言葉が聞けたなら。
何故だか,そんな予感がした。
「さくらざか〜」より,とある場面の小塚君→←「ほんかくはろうぃん〜」より,とある場面の七鬼君
20人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「探偵チームKZ事件ノート」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
いしとせ(プロフ) - HUMAさん» 初めまして,HUMA様。コメントありがとうございます! 好きと言っていただけて,ものすごく嬉しいです。応援ありがとうございます,頭の中の話を全部形にできるよう頑張ります! (2017年1月31日 21時) (レス) id: 2e3c8fd945 (このIDを非表示/違反報告)
いしとせ(プロフ) - うみなさん» いらっしゃいませ,うみな様! おまけの翼は,うみな様のコメントが全ての始まりでした……おそらく,コメントいただけてなければ生まれることはなかったです(;・∀・) というわけで,こちらこそありがとうございました!m(_ _)m (2017年1月31日 21時) (レス) id: 2e3c8fd945 (このIDを非表示/違反報告)
HUMA(プロフ) - こういう本編の裏側というか、そんなお話大好きです!いしとせさんの他の作品も凄く好きです。更新頑張って下さい、応援しています! (2017年1月30日 21時) (レス) id: c49a03c503 (このIDを非表示/違反報告)
うみな(プロフ) - いしとせさん» こんにちは。黒木くんと翼のバトル!もう、大興奮でした。翼の策略も、黒木くんの想いも、全てが 物語に沿っており、楽しませていただきました(*^^*) 前回のコメで 私がポロっと口に出したことを 小説にしてくださり、本当に 嬉しいです!! ありがとうございました(#^.^#) (2017年1月30日 20時) (レス) id: 6278f7cc78 (このIDを非表示/違反報告)
いしとせ(プロフ) - こんばんは,コメントありがとうございます。桜様も黒木君と翼推しなんですか! オトナな感じですね(笑) この2人のアイディアが出ればいいんですが……いろんな組み合わせを書いてみたいとは思っています。がんばります! (2017年1月15日 20時) (レス) id: 2e3c8fd945 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:いしとせ | 作成日時:2017年1月13日 21時