弱点 ページ2
「それよりA。今日も約束、しっかり守りましたか?」
「守ってるよ!買い物はネットショッピングで済ませたし、今日は一日中DVD鑑賞してました!だいたい、稔さん全部知ってるでしょ?」
「あなたの口から聞くことが、何より大切なんです。一安心したところで……さ、食べましょうか。冷めないうちに」
「はーい」
納得のいかない表情で、食事を再開する。……また、はぐらかされてしまった。
食事を終え、ソファーでまったりしながら隣に座る稔さんに話しかける。
「ねぇ、そろそろまた二人でデートでも行かない?私、気になってるカフェがあって……」
「駄目です」
「どうして?まだ忙しいの?」
「理事長になる前、伝えたでしょう。外に出る回数は減らす、と」
「でも……稔さんが理事長になってから、私一度も外に出てないんだよ?だから、そろそろ……」
顔を合わせずに話していると、突然肩を掴まれて無理やり顔を合わされた。稔さんは、焦っているような、怒っているような……とにかく怖い表情をしている。
「いいですか、A。私が例えどんなに良い理事長だとしても、私のことを恨む人は必ずいます。その人が、私に危害を加える可能性はゼロではありません。ですから、私の最大の弱点であるAは常に危険にさらされていると言っても過言ではないんです」
「だけど、稔さんが一緒なら守ってくれるでしょ?」
「……私一人の力では、限界があります。またあの時のように、私のせいであなたが危険な目に合ってしまったらと思うと、怖いんです」
「稔さん……」
「A、お願いします。私が力を付けるまで、もう少し待っていていただけませんか?……外に出ること以外の望みでしたら、何でも叶えて差し上げます。ペットでも飼いますか?ほら、私が居ないときが寂しいと言っていたでしょう」
「ううん、いい。ごめんね、わがまま言って。約束、ちゃんと守るから……」
私の言葉を聞いて、稔さんは安心したように肩から手を下ろした。大きい体にぎゅっと抱きつくと、すぐに背中に腕を回されて抱き締められる。
もう、いい。そっちがその気なら、私にだって考えがあるんだから!
私の気持ちを何も分かっていない人の腕の中で、私は密かに闘志を燃やした。
夢主
白鳥の妻。過保護な白鳥に一人で家を出ることを禁止されており、もう何年も一人で外出していない。
白鳥稔
夢主のことを大切に思っているのに、夢主の気持ちを全く理解できていない。
20人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ときあと(プロフ) - 雪さん» ご指摘ありがとうございます。少しずつ修正していこうと思います。今後も是非読んでいただけると嬉しいです。 (3月10日 22時) (レス) id: 26b0244867 (このIDを非表示/違反報告)
雪 - こんばんは(*^^*) はじめまして。 いきなりすみません。。。 物語読みました。 読んでいて思ったのですが。。。 台詞の間(行間隔)あけてはどうでしょうか? 行間隔が詰まっていると何だか読みにくいので。。。 (3月10日 22時) (レス) @page2 id: 6d33361b7d (このIDを非表示/違反報告)
ときあと(プロフ) - みつ丸さん» 冷静になって考えたら、自宅に監視カメラ付けてるのって相当ですよね…(汗)応援ありがとうございます! (3月1日 20時) (レス) id: 26b0244867 (このIDを非表示/違反報告)
みつ丸(プロフ) - ドラマのお陰で、理事長=監視キャラのイメージがありますよね(笑)連載楽しみにしております! (3月1日 20時) (レス) @page4 id: 8f46f7c20d (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ときあと | 作成日時:2024年3月1日 18時