一年越しの喧嘩を。【乙骨憂太】

努力 ページ7

過去に言った言葉と、言われた言葉に対して
意地を張っているんだろう。きっと。












『.......... 』










鮮明に思い出した過去と、

意地を張った自分に、酷く苛立ちが募った。















乙骨が閉めたことで少し揺れるカーテンに目を移す。








どうせ今日はもう授業に出ないから、
適当に寮の自室で過ごそう。

そう思った。



















？「入るぞ。」






















ガチャ、と返答を待たずに自室に入ってくるのは
真希で。












ふと時計に目をやると
授業が既に終わっている十七時を指していた。
















『.....着替えてたらどうすんの。真希。』






禪「んぁ？わりーわりー。 つーかよ....」















真希は室内着のまま私の部屋のフローリングに
胡座をかいた。



















禪「.....いつまでやってんだよ。お互い。」





『なにが＿＿






禪「憂太と、 話してねーんだろ。あれから。」

















"避け方わかりやすすぎるんだよ。"
















真希が零す小さな愚痴に、申し訳なく思う。

















『.....ごめん。気 遣わせたよね。ほんとごめん。』














禪「別に私らは謝って欲しいんじゃねぇ。




.....ちゃんと話し合えよ。お前ら。



＿＿ 一年前の話だろ。お互い少しは変わってる。」














『............まぁ』













確かに。
変わってないのなんて私くらいだろう。















禪「...お前だけなんだよ、強く嫌ってるのは。

憂太(アイツ)はお前に向き合おうとしてる。」



















『.........。



真希。それ、私も向き合わなくちゃだめかな？

境遇も悩みも違うのに、理解する必要ある？』



















禪「....マジで根にもってんだな。」












真希にあたりたいわけじゃないのに。



冷たく言い放った自分に嫌気が差す。



















『..ごめん。

別に真希にあたりたいわけじゃなくて＿ 』








禪「.....わかってる。

とりあえず、お前からも関係を修復する努力を
してくれたらいい。棘もビビってるしな。」



















部屋のドアが閉まって、





ベッドの上で 少し心細かった。

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