片思い戦争～そして俺達は恋をする～探偵チームKZ事件ノート (ページ16)

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１０、片ページ16

私は、いつもの倍以上に困っていました。

普段はKZの皆のおかげであまり困ることはなかったけど・・。

今回は、特例なの。

だって、私はそのKZの皆のことで悩んでいたから。

「なあ、アーヤ。ペン落としたぞ。」

黒木クンがペンを拾ってくれた。

これ自体は、別に困っていない。

むしろ、嬉しいくらい。

「ありがとう、黒木クン。」

私はそう言ってお礼を言う。

うん、ここも問題ない。

じゃあ、何が問題なのかと思われるかもしれない。

実はね――

「なあ、アーヤ。今度さ、図書館行かないか？」

「立花、数学教えるぞ。」

「僕に手伝えることない？」

「俺、アーヤのそういう所好きだ。」

最後の砂原の言葉は――うーん、ちょっと忘れて――欲しいかな。

私が悩んでいたこと――――――――随分と贅沢な悩みなのだけれど・・。

最近、皆が異常なまでに私を気遣ってくれる。

何だろう、昔に比べて違和感しかないの。

―――――――――私、そんなに皆に心配させるようなこと、したのかなぁ。

そんな迷惑、絶対にかけたくない。

私だって、KZの一員なんだから。

「ねえ、若武。」

「なんだ、アーヤ。」

「あのさ、相談があるんだけど――――。」

そうして、私と若武は話しやすいように公園へ行った。

正直、公園というチョイスは変な気がしたけど。

「KZの皆、最近ちょっと変だよ。」

私は、面と向かってそう言った。

そう、はっきりといっておかないと。

これ以上、皆に気を遣わせすぎたらいけないもん・・・ね。

「え！あ、そ、そんなことか・・。あ、べ、別に変じゃないと思うぞ。」

「ううん、やっぱり皆おかしいよ！私、皆に心配させてるみたいだし・・。」

私は、そう言った。

自意識過剰と思われたのか、それとも別のことを思ったのか―――・

若武は唖然とした顔で私を見つめている。

本当に、意外な所を突かれたような感じだ。

「ゴメン、自意識過剰だったよね。」

私が顔を真っ赤にしていった。

きっと、若武は私を変に思っただろうな・・。

そう思った時、若武が私の肩をつかんだ。

そして、こっそり耳にささやいた。

「アーヤの目には見えない何か・・だよ。」

「・・え？」

若武の言葉の意味が分からず、私は戸惑う。

目に見えない何か――それが、私の質問と何の関係があるのかわからなかったから。

今は、知る由もない関係だったから。

今は、ね？