No.111 ページ12
なんだか見えてきた気がしたのだ。でもそれは、自分の目では見えないもので、だから剣士は目を閉じた。
自分が持っていないもの、欠けているもの、しなきゃいけないこと。
弱く小さい蝋燭の光はどこか暗く沈んでいた剣士の心を照らし始めた。
なんでこんな事になったのだろう。
剣士は無駄なものを消すように考え始めた。
『結局きっと世界は何も変わらないで、大人を殺すだけ殺して死んでいく。』そんな一生だと思っていた。なのに、本当に変わって「しまった」。
子供のような叶うはずも無い、純粋な夢。
通じるはずなんてないと思っていた、歪んだ正義。不運にもそれは日本中の子供達に力を与えてしまった。
…少年の母は、少年を愛していた。自分の両親に愛なんて無かった。少年は母を愛していた。自分は両親を憎んでいた。
オレはなんでこうなった？クソみたいな大人が溢れかえってるからだ。
この女の人はなんで子供を助けたんだ？愛してるからって身を呈して？大人なんかが？
心のどこかで分かっているハズだった。
自分には愛情が欠乏しているのかもしれないと。ラビッシュの皆は誰よりもわかっている。大好きなのだ。
そう、まるで「家族」みたいに。
穴を埋めていたのかもしれない。家族と言える家族なんていなくて、だから「家族のように」ラビッシュの皆を愛しているのかもしれない。
自分に、足りなかったものを埋めるために、オレは皆をこんな事に巻き込んだ…？
仲間を失ってまで…？？？
「…………ッあ"あ"あ"あ"あ"あ"あ"！！！」
彼の喉から発せられたとは思えない程、哀しみか怒りか怨みかわからない、あるいは全てが含まれた咆哮が辺りに響き渡る。
きっとこの声は、他のラビッシュの仲間たちにも、レブルにも聞こえているだろう。聞かせたくないような、耳を塞ぎたくなるような哀れな咆哮が。
剣士の目の前をドロドロとしたどす黒い感情が覆っていった。
剣士は髪を逆立て、狂った笑みを見せた。
彼の周りを影が竜巻のように回り出し、瓦礫や大人を巻き上げる。
瞳は虚ろで、大切な何かを失ってしまったようだった。
今の剣士を例えると言うならば、壊れてしまった
剣士の何よりも大切な仲間が、剣士を苦しめる。いや、思う余りだろうか。
…世界は思っていたよりずっと残酷だった。
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花梨(プロフ) - 皆さまお疲れ様でした〜 (2018年9月14日 22時) (
レス) id: e3aad0174a (このIDを非表示/違反報告)
透明少女(プロフ) - お疲れ様でした！あまり参加出来ずにいて申し訳ありませんでした…！本当にありがとうございました！！ (2018年9月14日 21時) (レス) id: 6dddb2cb16 (このIDを非表示/違反報告)
睦都(プロフ) - 初めからずっと見てました！主催者様、参加者様の皆様お疲れ様でした！剣士君たちとても好きです(*^^*)ほんとうにお疲れ様でした (2018年9月14日 19時) (レス) id: 3a040f6594 (このIDを非表示/違反報告)
羊素。(プロフ) - 遂に完結ですか…少し寂しい気もしますが、主催者様、及び参加者の皆様、お疲れさまでした。 (2018年9月14日 5時) (レス) id: dc73ea1538 (このIDを非表示/違反報告)
紅葉 - お疲れ様でした！ (2018年9月13日 18時) (レス) id: c46d432f11 (このIDを非表示/違反報告)
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