貴方を守りたい [トム・M・リドル] (ページ34)

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第32話ページ34

トム君は、じっと考えている。

　「まあ、７個作るというなら、それはそれでいいよ？全力で守るから。
　けど、４個ぐらいが妥当かな、と思うんだ。」

トム君はやっと目線を上げ、私と目を合わせる。考えがまとまったようだ。

　「分かった。４個にしよう。ただし、１つ約束して欲しいことがある。」

なんだろう、と首をかしげる。

　「ずっと、傍にいてくれないか？」

　
　赤くなってしまった。

　いや、赤くならないほうがおかしい。

焦ってしまい、ただ口をパクパクと動かすことしかできない。

　「ほ、本当に？」

　「ああ。もちろん。」

やっと、出てきた言葉だが、しょぼい。

トム君は、微笑んでいる。

私も同じ気持ちだったのだからうれしい。とっても。

しかし、この世界に来てから一番の誤算でもあった。

彼は、愛を知らないはず。

まあ、彼のことだから愛を認めず、違う言葉で当てはめているのだろうが。

それに、彼を、本当の意味で救いたいなら、答えは考えるまでもない。

　「こんな私でもいいのなら。」

トム君は手を伸ばした。

私の髪に触れ、ゆっくりと、ゆっくりと、指ですく。

　「ああ」

どうすればいいのか分からなかったので、トム君の方を伺い見る。

トム君は、やわらかい笑みをこぼしてくた。

純粋に嬉しいと感じたのはいつ以来だろう。

赤くなっているAは、とても珍しく、美しかった。

彼女を、傍に置いても損な事は１つもない。

未来を知っている、優秀、器量良し、これ以上に僕に相応しい人がいるだろうか？

Aに幼いとき感じていた気持ちも、最近、気が付いた気持ちも、彼女以外に感じることが出来ない。

　何より、必要性すら感じない。

　ああ、やっとAが確実に僕のところに来てくれた。

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ありがとうございました。