1話 ページ2
「二郎、待て。」
「うぇぇ? 何だよセンセー。」
朝8時半。
HRの始まっている時間なのに、今校門を通ってきた山田二郎。
まぁ、午後にならなかっただけ良しとしよう。
「……センセー、暇なの? いっつも俺の事待ってんじゃん。HRは? 」
ぶぅ、と口を尖らせる二郎。
俺はシャツの上を指差しながら答える。
「相楽に任せてる。……ボタン、きちんと止めろ。」
相楽、と言うのは俺の教室の副担任。
大学の後輩だから、何でも頼めるのだ。
「相楽先生もかわいそー。こんな奴に良いように使われて。」
なんて言いながらも、シャツのボタンを止める二郎。
俺はその髪をクシャ,と撫で手を取る。
「は、何してんの? 」
「あ? てめぇが逃げねぇようにしてんだろ。」
「俺先生のスイッチ切り替わるタイミング良く分かんない。」
軽口を叩く二郎だが、その顔はみるみる赤くなっていく。
童貞君には早かったか? なんて。
からかいたくなったが我慢。
「……相楽、サンキュな。」
「はい。……そう言えば、何で手ぇ繋いでたんですか? 」
1時間目。
授業が無い俺等は、職員室で駄弁る。
相楽は、一言で言えば無気力。
やる気が無さそう、と言うのが第一印象で本当にやる気が無いので第一印象がそのまま印象になる。
その癖、担当教科は国語なのだからよく分からない。
「逃げないように。」
「あ、成る程です。」
そのまま適当に時間を潰し、俺等はそれぞれの教室へ向かう。
次の俺の担当は、自分のクラス。
「数学始めんぞ。」
「センセー、谷山がぁ。」
ドアを開けた瞬間、俺に泣きついてくる二郎。
そのまま腕に顔を擦られる。
うわ、今鼻水つけやがった。
「……ハァ、んだよ? 」
一瞬、怒ろうかと思ったがこちらを見上げる涙目にその気持ちは失せる。
「……谷山が、俺のえろ本取ったぁ……ッ! 」
前言撤回。
こいつは怒られなければ学ばないのだ。
よし、OK。
「谷山、二郎。座れ。」
「「え? 」」
「座れ。」
俺は教卓の前に2人を正座させる。
そのままこんこんとお説教すること10分。
2人はげっそりした顔で自分の席へ戻っていった。
「よし、授業するぞ。」
10分の時間ロスだし、ペース速めで。
チャイムが鳴った時には、皆は何故か屍のようになっていた。
「センセ、此処なんだけど。」
授業後。
二郎が俺に質問をしに来る。
「ん? 」
「教えて? 」
「おけ。ここは__。」
と教えようとすると。
「鳳凰先生、こっち来て下さい。」
他の先生に呼ばれてしまう。
「後でな。」
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美優(プロフ) - すごくおもしろかったです!続きが気になります!これからも更新頑張ってください! (2019年6月23日 19時) (レス) id: 94bf85f3ba (このIDを非表示/違反報告)
彩白 - 夜月さん» すみません! 指摘ありがとうございます! (2019年4月27日 9時) (レス) id: 7d8c2c7b97 (このIDを非表示/違反報告)
夜月 - タイトルのとこ二朗になってますよ? (2019年4月23日 23時) (レス) id: 3ca5c6783d (このIDを非表示/違反報告)
れいな BTSユンギ - お〜違いましたか〜スンワセ〜ン… 完結が楽しみでっす! ワクワクデス! (2019年4月23日 13時) (レス) id: a9e253502f (このIDを非表示/違反報告)
彩白 - クロスケさん» 本当ですね、ごめんなさい! 書き直しますね (2019年4月22日 23時) (レス) id: 7d8c2c7b97 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:彩白 | 作成日時:2019年4月22日 21時