第415話 ページ26
ぼーっと焚き火の火を見つめながら、私達はポツリポツリと会話を交わす。
「あの子は...とても不器用な子でな...君には迷惑をかけることもあっただろう...」
「！いえそんな！そんなことないです。カカシさんは...とっても優しいですよ。いつだって...誰かのことを考えてる」
「.......」
「そんで私も、その優しさに何度も支えてもらってますから」
「.....そうか...そう言って貰えて...あの子もきっと幸せだろう...」
そう言って静かに目を閉じたサクモさん。
いや、だって当たり前だろうになぁ...あんな立派な息子産んで...あなたは私もとい全カカシクラスタの誇りです。本当に。
「...あの、サクモ、さん.....」
「...なんだい？」
「あーっとその...ちょっと恥ずいこと言うんですけど...」
「？」
「その...カカシさんのお母さんも、サクモさんも.....ありがとうございます。カカシさんを産んで、育ててくれて...」
「.....！」
言いたかったこれ。この世界に来る前も、来たあとも、ずっとずっと言いたかった。
オタクとしても、あの人が大好きな私としても...あの人の両親に、いつかは絶対「産んでくれてありがとう」を言いたかったのだ。
そんな叶いそうにない小さな夢が、今やっと叶った。
なんだか少し照れくさくなって、口元を隠す。
するとサクモさんは、ほんの少し瞳をうるませてから、
「.....嬉しいよ...ありがとう」
そう言ってくれた。
そして更に続けて言う。
「...私も妻も...早くにして死んだから.....本当にあの子には申し訳ないことをした...。
...でも君にそう言って貰えるだけで.....私も妻も、救われたような気がする.....」
「.....いえ、そんな.....」
すると、その時だった。
「！」
ふと、後方から人一人分の気配を感じた。
どうやらその人物はこちらに向かっているようだ。
.....カカシさんだな。
なぜかは分からないけど、その人物の正体はそんな感じですぐにわかった。
「.....じゃあ...私はこれで」
「...もう行くのかい？」
「はい。久々に親子水入らずだろうし...私は少し散歩でもしてます。
だから...いっぱい話、聞いてあげてください」
「...ああ...そのつもりだよ」
そう言うと、サクモさんは優しく微笑んだ。
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色葉(プロフ) - 神崎さん» ありがたいお言葉ありがとうございます！嬉しいです！！ご期待に添えられるよう精一杯頑張ります！！ (2019年8月20日 20時) (
レス) id: 213181a4fa (このIDを非表示/違反報告)
神崎 - いつも更新楽しみにしおります！！今回もとても良いところ終わってて、続きが気になります！！更新楽しみにしております！！ (2019年8月20日 14時) (レス) id: 6552b63e3d (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：色葉 | 作成日時：2019年7月18日 14時
