第97話 ページ14
ナルトの手の甲に、深々と突き刺さるクナイ。その傷口からはどくどくと滝のように血が流れ出ている。
…というか……！
『っでえええええええ！？なにやっとんじゃナルトォォォ！！』
想像以上の痛々しさにそんな叫び声をあげる私。先程も言ったが、痛いのと怖いのは本当にダメなのだ。ましてや体感するだけでなく、もちろん見るのも駄目。
そんな私にとって今のナルトの姿はかなりショッキングなものであった。顔色を悪くして涙目で叫ぶ私。恐怖のあまり、咄嗟にサクラにしがみつく。
「そうよ！何やってんのよアンタ！！」
しがみつく私を若干鬱陶しそうにしながらも、サクラも同じようにナルトに怒鳴りつける。
てか鬱陶しそうって…なんかサクラの私に対する扱いがだんだん雑くなっている気がするのは気のせいだろうか？自分で言ってて悲しくなるわ。
しかしそんな私たちなんてお構いなしに、ナルトは何処か決意に満ちたような表情でこう言った。
「オレがこのクナイで……
オッサンは守る！任務続行だ！！」
……そう、例のイケメン台詞を吐いたナルト。
だがしかし、申し訳ないが今の私にとってこの名シーンはあまり感動できなかった。なんせナルトが何て言うかなんて知ってたし、更には目の前で当の本人にプチホラーな姿を見せられているのだから。
よし分かった！お前の意思はよぉく伝わったから早く治療してくれナルト頼むから！！
雰囲気をぶち壊さない為にも、そう心のなかで真剣にナルトに呼び掛ける私。もちろん聞こえるわけないけど……
「ナルト…景気よく毒血を抜くのはいいが……それ以上は……
出欠多量で死ぬぞ♡マジで」
すると今までのやり取りを黙って見ていたカカシさんが漸く口を開き、にっこりと笑ってナルトにそう言った。
その言葉にサーっと血の気を引くナルト。
「ぬぉぉ！ダメ！それダメ！こんなんで死ねるかってばよ！！」
「ちょっと手見せてみろ」
助けてと騒ぎ立てるナルトの手の応急処置をするカカシさん。その様子をサクラに隠れながらそっと見守る。
こういうのって嫌なら見なきゃいいのに何故か怖いもの見たさで見ちゃうんだよねぇ……
*
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 413人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「トリップ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
色葉(プロフ) - 星月夜*ミルトニア[3DS]さん» 本当ですか！？ありがとうございます！！更新頑張ります♪ (2017年9月24日 0時) (
レス) id: 53b50fa5d1 (このIDを非表示/違反報告)
星月夜*ミルトニア[3DS] - イラストのクオリティヤバイ………また見てみたいです！更新頑張ってください！ (2017年9月23日 22時) (レス) id: 4d66220430 (このIDを非表示/違反報告)
色葉 - 輝夜さん» 嬉しいお言葉ありがとうございます！楽しんで頂けているようで何よりです♪頑張ります！ (2017年9月21日 6時) (レス) id: 53b50fa5d1 (このIDを非表示/違反報告)
輝夜(プロフ) - 面白くていつも更新ワクワクしながら待ってます！これからも頑張ってください！！ (2017年9月20日 18時) (レス) id: 88c1b11d8c (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：色葉 | 作成日時：2017年9月13日 6時
