境内の裏庭で。 《iris》

☆ｰｰStory1ｰｰ☆ ページ2

『はぁぁ…』

盛大なため息を着き、窓の外を見た。

早いスピードで流れていく景色を見ながらぼうっと様々なことを考えていた。

私…ことAは今車に乗って移動している。

何故かというと。

本当は考えたくもない事実…で。

私は今日から賽花神社で暮らす事になってしまったのだ。

なにせ両親が二人とも海外で仕事するとか。

もうほんっとに意味分かんない…

さっきまで新幹線に乗っていて、今はタクシーで一人目的地へ向かっている。

神社まですら見送れないのか…

大分長いこと移動してきたから、多分そろそろなはず。

キャリーバック邪魔だし。


…とはいえ、心配すぎる…

神様のこととか全然知らないし。

そもそも神社なんて初詣くらいでしょ行くの。

『やっていけるかな…』

そんな不安の言葉は昼下がりの空へ吸い込まれて、消えた。

ｰｰ

運転手「着きましたよ」

『…んん。』

あ、寝てた…？

とうとう、着いてしまった。

うとうとしながらもありがとうございます、とお礼を言ってタクシーを出た。


少しキャリーバッグを引きずって歩いていき、鳥居の前で立ち止まった。

『…よし。』

決心を固め、鳥居にお辞儀して、端を通った。

神社の境内には沢山の桜の木があって、でも冬なせいで葉っぱは全て落ちていた。

コツ、コツ…

靴の音が広い境内にうるさいぐらい響く。

そのまま歩いて行き、本殿の前に着いた。

『えーと、確かここで待ってればいいはず…』

そう呟いたと同時に、足音がした。

白花(はくか)「あぁ、お待たせしました。」

優しそうな声が聞こえて、ふと振り向く。

白花「私はこの神社の宮司をしています、白花です。はじめまして、Aさん。」

『白花さん、はじめまして。葉桜Aです。今日からよろしくお願いします。』

白花「いえ、こちらこそよろしくお願いします。あぁ、どうぞ中、入りましょう。」

『あ、ありがとうございます…！』

わたしは勧められるままに中へと入った。

ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ☆ｰｰｰｰｰｰｰｰｰｰ

第一話読了ありがとうございます！

次は多分初兎くん出ます多分。

まじで神社のこと無知なので、ここおかしいよ！とかあったら容赦なくコメントしてください！！！

おつゆなですっ！

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